ヴァン・ガーウェンは、どこで点を失わないのか。
20の左にある「5」への外れは、ルイスとほぼ変わらない。差が開くのは右の「1」だった。2019年のT20狙いを比べると、ヴァン・ガーウェンの精度には、命中率だけでは見えない輪郭がある。
11,3412019年・T20狙いの集計対象投数
シルエット:Sven Mandel 撮影の写真をもとに TSUDA が作成(CC BY-SA 4.0)
01同じ外れでも、行き先が違う
マイケル・ヴァン・ガーウェンは、エイドリアン・ルイスよりT20に入れている。今回の集計では、それ自体に意外性はない。面白いのは、入らなかったダーツの行き先だ。
ボードを正面から見て、20の左隣は5、右隣は1。シングルとトリプルを合わせた「5への外れ」は、ヴァン・ガーウェンが4.12%、ルイスが4.19%。どちらも約4%の水準に収まる。ところが「1への外れ」は2.43%と6.48%。こちらには、はっきり差がある。
「精度が高い」を、どの方向にも均等に外れが減ることだと考えると、この図は読み違えやすい。左右をひとまとめにすれば、隣接区画への外れは6.55%対10.67%。しかし、その差の大部分は右側に集中している。
これは右へ外さないフォームの証明ではない。何を狙い、どこに入ったと記録されているか、という結果の比較だ。最初に押さえたいのは、同じ「T20を外した1投」でも、その中身は選手によって違うという点である。
02比較しているのは、2019年のT20狙い
資料は、HaughとWangの研究に付属する公開集計データ。2019年シーズンのT20狙いについて、T20・S20・T5・S5・T1・S1の6区画を比較する。ヴァン・ガーウェン(以下MvG)は11,341投、ルイスは4,030投。この6区画の合計を、以下の割合の分母とした。
Tはトリプル、Sはシングルを表す。T20は60点だが、同じ20の扇形に残ったS20は20点。左へ外れたT5は15点、右へ外れたT1は3点になる。単にトリプルへ入ったかだけでなく、外れてから何点を残したかも得点に効く。
なお、ここでの投数は両選手の全試合・全ターゲットを網羅した総投数ではない。ダブルの成否やチェックアウト、T19への切り替えを含む総合評価でもない。現在の両選手の状態を比べる数字としても扱わない。
同じ集計条件で、T20への入り方と外れ方を比べる。その範囲に問いを絞ると、命中率6.24ポイントの差を、もう一段具体的に読むことができる。
NEXT命中率の差と、失点の差を分ける
続きでは6区画の実数を使い、1投当たりの得点差を分解する。さらに、公開された散らばりのモデルで「横幅だけ」「縦幅だけ」を入れ替え、どちらの違いがT20への入りやすさに強く効くのかを確かめる。
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