ヒジの支点elbow hinge
ヒジを固定した回転運動としてスローを捉える見方。手の軌道の曲率半径を決める。
ヒジを支点にした単純な回転として腕を扱うと、手先の速度 v と前腕の長さ R から、速度ベクトルの回転レートが ω = v / R で求まる。前腕 33 cm・手先 6.0 m/s なら ω ≈ 18.3 rad/s、つまり 1 ミリ秒でリリース角が約 1.05 度動く計算になる。
この「1 ms あたり 1 度」がスローの厳しさの正体で、そのままだと 1 ミリ秒のリリースずれが board 上の約 25〜30 mm に化ける。実際のトッププレイヤーがそこまで散らないのは、肩・ヒジ・手首の 3 リンクが協調して手の軌道をリリース付近で「まっすぐに」し、曲率半径を稼いでいるためと考えられている。
つまりヒジは固定された蝶番ではなく、他の関節と組んで軌道の曲率を操作するための一要素にすぎない。
速度ベクトルの回転レート
ω = v / R
v = 手先速度, R = 手の軌道の曲率半径。R が大きいほどリリース時刻のズレに鈍感になる。