ロス・スミス、欧州選手権2度目の優勝。賞金15万ポンド獲得で世界6位へ
2026 年 10 月 25 日に行われた PDC ヨーロピアンチャンピオンシップ決勝で、ロス・スミスがマーティン・シンドラーを 11-8 で下し、自身 2 度目の大会制覇を果たしました。優勝賞金 15 万ポンドを獲得し世界 6 位へ浮上した大会結果を解説します。
PDC は 2026 年 10 月 25 日、ドイツ・ドルトムントのヴェストファーレンハレで行われた Machineseeker European Championship(マシーンシーカー・ヨーロピアンチャンピオンシップ)の決勝で、Ross Smith(ロス・スミス)が Martin Schindler(マーティン・シンドラー)を 11-8 で破り、4 年ぶり 2 度目の優勝を果たしたと発表しました。
スミスは 2022 年の同大会でキャリア初のプレミアタイトルを獲得しており、思い出の地で再びビッグタイトルを手にしました。
決勝の試合展開:リードを広げたスミスがシンドラーの猛追を振り切る
決勝戦は序盤、互いにキープを分け合い 2-2 でスタートしました。ここから主導権を握ったのはスミスでした。6 レグを連取して一気に 8-2 と突き放し、勝利まであと 3 レグに迫ります。
しかし、地元の大歓声を背負うシンドラーも反撃に出ます。116 と 127 のハイチェックアウトを決めるなど 4 レグを連取し、9-6 まで追い上げました。それでもスミスは冷静に自らのスローをキープして王手をかけると、最後は 5 本目のマッチダーツを沈めて 11-8 で勝利を決めました。
試合後、スミスは次のように喜びを語りました。
To have this trophy in my hands and to win another major, I'm absolutely over the moon
日本語に訳します。
このトロフィーを手にし、新たなメジャータイトルを獲得できて本当に嬉しいです。
また、猛追を見せたシンドラーについても触れています。
勝負どころの終盤は少し緊張していたと明かし、何度も対戦してきたシンドラーを「素晴らしい選手で、人柄も良いが、とても戦いにくい相手」とたたえました。
He's a fighter.
日本語に訳します。
彼はファイターです。
スミスの勝ち上がりと達成した記録
今大会に第 1 シードとして臨んだスミスは、1 回戦で Karel Sedlacek(カレル・セドラチェク)を 6-4、2 回戦で Damon Heta(デイモン・ヘタ)を 10-7 で退けました。準々決勝では Luke Woodhouse(ルーク・ウッドハウス)を相手にアベレージ 107 を記録し、10-6 で勝利しました。ウッドハウスもアベレージ 103 超、チェックアウト成功率 60% という高い数字を残しましたが、スミスが上回りました。
準決勝では Gerwyn Price(ガーウィン・プライス)に対して 1-4 とリードを許す苦しい立ち上がりとなったものの、そこから挽回して 11-7 で逆転勝利を収めました。
大会を通じた自身のプレーについて、スミスは冷静に振り返っています。
I really don't think I played great this week. I had a really good game against Luke Woodhouse; I think a lot of players let me off as well, but sometimes you have to win ugly. I'm proud of doing that because you have got to dig deep.
日本語に訳します。
今週は自分ですごく良いプレーができたとは思っていません。ルーク・ウッドハウス戦は非常に良かったですが、相手のミスに助けられた部分もあります。それでも時には泥臭く勝つことも必要です。粘り強く戦い抜かなければならない場面でそれができたことを誇りに思います。
スミスはこの優勝により、以下の記録を達成しました。
- 複数回優勝の仲間入り:ヨーロピアンチャンピオンシップで複数回の優勝を果たしたのは、Michael van Gerwen(マイケル・ヴァン・ガーウェン)、Phil Taylor(フィル・テイラー)、Rob Cross(ロブ・クロス)、Peter Wright(ピーター・ライト)に並び、複数回の優勝者となりました。
- 第 1 シードからの戴冠:第 1 シードの選手が同大会を制したのは 2017 年以来です。
- 賞金とランキング:優勝賞金 15 万ポンドを獲得し、世界ランキングは 6 位に浮上しました。また、2026 年 9 月のワールドシリーズオブダーツ・ファイナルズに続く自身 3 つ目のプレミアタイトルとなりました。
ドイツ人初のテレビ中継大会決勝を果たしたシンドラーと最終日の結果
惜しくも準優勝となったシンドラーですが、地元ドイツのファンの前で歴史を刻みました。ドイツ人選手として初めて、テレビ中継される大会の決勝に進みました。
シンドラーはヨーロピアンツアー最終戦で滑り込み、第 31 シードとして今大会に出場しました。1 回戦で第 2 シードの Wessel Nijman(ウェッセル・ナイマン)をディサイディングレグの末に破ると、2 回戦では Jermaine Wattimena(ジャーメイン・ワッティメナ)を 10-4 で圧倒しました。
さらに準々決勝では Jonny Clayton(ジョニー・クレイトン)に対し、アベレージ 103 超、ダブルのミスをわずか 5 本に抑え、世界 5 位のクレイトンにダブルへの挑戦を 2 回しか許さず 10-1 で圧勝しました。準決勝でも Krzysztof Ratajski(クシシュトフ・ラタイスキ)を 11-6 で下しています。
準優勝によりシンドラーはグランドスラムの出場権を獲得し、世界ランキングは 20 位に浮上しました。試合後のコメントは以下のとおりです。
When I started playing darts ten years ago, I didn't expect anything and now I made a major final
日本語に訳します。
10 年前にダーツを始めたときは何も期待していませんでしたが、今こうしてメジャーの決勝にたどり着けました。
I lost but I'm still very happy, I really am, and I'm going to be in the Grand Slam now. That's probably the best part of it!
日本語に訳します。
負けてはしまいましたが、それでも本当に嬉しいです。これでグランドスラムにも出場できますし、それこそが最高の結果かもしれません。
また、ラタイスキは準々決勝で世界ランキング 1 位の Luke Littler(ルーク・リトラー)を 10-6 で破り、2021 年以来となるプレミア大会のベスト 4 進出を果たしました。プライスは準々決勝で Stephen Bunting(スティーブン・バンティング)に 10-3 で勝利しています。
大会最終日(10 月 25 日)の試合結果は以下のとおりです。
| ラウンド | 対戦カード | スコア |
|---|---|---|
| 準々決勝 | ロス・スミス vs ルーク・ウッドハウス | 10-6 |
| 準々決勝 | ガーウィン・プライス vs スティーブン・バンティング | 10-3 |
| 準々決勝 | マーティン・シンドラー vs ジョニー・クレイトン | 10-1 |
| 準々決勝 | クシシュトフ・ラタイスキ vs ルーク・リトラー | 10-6 |
| 準決勝 | ロス・スミス vs ガーウィン・プライス | 11-7 |
| 準決勝 | マーティン・シンドラー vs クシシュトフ・ラタイスキ | 11-6 |
| 決勝 | ロス・スミス vs マーティン・シンドラー | 11-8 |
TSUDA の見方
今大会のスミスの戦いぶりで印象的だったのは、「win ugly(泥臭く勝つ)」という本人の言葉です。トーナメントを勝ち上がるうえで、毎試合 100 を超えるアベレージを叩き出し続けるのは困難です。ウッドハウス戦のような圧巻のダーツを見せる一方で、プライス戦や決勝のように劣勢や苦しい時間帯に耐え、ダブルのチャンスを逃さずに拾い続ける強さこそが、メジャータイトルを手繰り寄せる要素だと編集部は見ています。
また、シンドラーの決勝進出は、地元ドイツのファンにとって大きな出来事になったと編集部は見ています。地元ドルトムントのファンの前でクレイトンを圧倒した準々決勝の集中力は目を見張るものがあり、第 31 シードからの躍進でグランドスラム出場権と世界ランキング 20 位を手に入れたことは、今後のシード争いにも影響しそうです。
9 月のワールドシリーズオブダーツ・ファイナルズに続き、わずか 1 か月で 2 つ目の大型タイトルを獲得したスミスは、世界ランキング 6 位へ駆け上がりました。年末の世界選手権に向けて、充実したコンディションを維持している注目選手の一人です。
- ロス・スミスがマーティン・シンドラーを 11-8 で破り、ヨーロピアンチャンピオンシップで 4 年ぶり 2 度目の優勝を達成
- 優勝賞金 15 万ポンドを獲得したスミスは世界ランキング 6 位に浮上、自身 3 つ目のプレミアタイトルを獲得
- シンドラーはドイツ人選手として初のテレビ中継大会の決勝進出を果たし、グランドスラム出場権を獲得
この記事は海外の報道をもとに TSUDA が要約・翻訳したものです。原文は PDC 公式(2026年10月25日)。作り方は編集方針に。