ダーツのスタンスの違い。オープン・ミドル・クローズドの向き不向きと変え方
ダーツのスタンスは、体を的に向けるオープン、斜めに立つミドル、横向きのクローズドの3つに分けて説明されることが多く、どれが正しいという決まりはありません。違いの一覧、向く人、足が痛いときの見直し、変えるときの手順を並べます。
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結論
ダーツのスタンスは、体を的に向けるオープン、斜めに立つミドル、横を向くクローズドの 3 つに分けて説明されることが多く、どれが正しいという決まりはありません。毎回同じ形で、楽に立てるものを選びます。
- オープンは角度をそろえやすいが、前に体を出しにくく、リリースが的から遠くなる
- ミドルは重心や足の位置を調整しやすく、もっとも標準的と紹介されることが多い
- クローズドは同じ角度で立ちやすい一方、前足に体重を乗せすぎると後ろ足が浮きやすい
この記事では、3 つのスタンスの違いを一覧にし、それぞれが向く人・向かない人、足が痛いときの見直し方、スタンスを変えるときの手順を並べます。規則はソフトダーツ(DARTSLIVE)の公式ルールを基準にしています。
ダーツのスタンスの違い。3 つの立ち方の一覧
DARTSLIVE の初心者向けの解説は、スタンスを「ミドル」「クローズド(サイド)」「オープン(フロント)」の 3 つに分けています(DARTSLIVE:Where do you throw the darts from?)。英語圏の解説でも、正面(front-on)、横向き(side-on)、その間の斜め(angled / middle)の 3 つで説明するものが多く、呼び方は違っても中身はほぼ同じです。
| スタンス | 立ち方 | よい点 | 気をつける点 |
|---|---|---|---|
| オープン | 体の正面を的に向け、つま先も的に向ける | 角度をそろえやすい。目と腕と的を一直線にしやすい | 前に体を出しにくく、リリースが的から遠くなる。使う人は少なめ |
| ミドル | 前足を斜めに置き、体を斜めに向ける | 重心と足の位置を調整しやすい。狙いやすいと感じる人が多い | 角度が日によってずれやすい |
| クローズド | 前足をラインと平行に近く置き、体を横に向ける | 毎回同じ角度で立ちやすい。体を前に倒しやすい | 前足に体重を乗せすぎると後ろ足が浮き、ぐらつきやすい |
表の「よい点」「気をつける点」は、DARTSLIVE の解説と英語圏のショップ・コーチの解説で共通して挙げられているものです。どのスタンスが当たりやすいかは、解説によって言うことが分かれます。英国のショップ Doubletop Darts の解説は正面向きを「おそらく最も正確」としつつ、横向きはトップ選手に多いと書いています(Doubletop Darts:How to master the darts stance)。Shot Darts の解説は、45〜90 度くらいの中間あたりを勧めています(Shot Darts:Stand and deliver)。説が分かれるので、ここでは 1 つを勧めず、向き不向きで並べます。
オープンスタンス。的に正面を向く立ち方
オープンスタンスは、両足のつま先をスローラインに向け、胸を的と平行にする立ち方です。英語では front-on とも呼ばれます。
よい点は、体の向きを毎回そろえやすいことです。目・腕・的が縦に並びやすいので、利き目と投げる腕が反対側の人(右投げで左目が利き目など)に合うと紹介されることがあります。一方で、腰をひねらずに立つぶん、上半身を前に倒しにくく、リリースの位置が的から遠くなります。DARTSLIVE の解説でも、使う人は少ないと書かれています。
- 向く人:横を向くと腰や背中が窮屈な人、利き目と投げる腕が反対の人、体の向きがぶれやすい人
- 向かない人:前に体を倒してリリースを的に近づけたい人
- よくある失敗:腕が体の前を横切るように振れてしまい、左右にばらつく。肘から先を的に向けて前後に振れているか、動画で確かめる
ミドルスタンス。斜めに立つ立ち方
ミドルスタンスは、前足を斜めに置き、体を的に対して斜めに向ける立ち方です。DARTSLIVE の解説は、これを最も標準的なスタンスとしています。重心の位置や足の幅を少しずつ調整しやすく、狙いやすいと感じる人が多い形です。
弱点は、斜めの「どのくらい」が決まりにくいことです。ある日は 45 度、ある日は 60 度と、角度が知らないうちに変わると、腕の通り道も変わって左右のばらつきになります。
- 向く人:初めてスタンスを決める人、横向きも正面向きもしっくりこない人
- 向かない人:毎回の角度合わせが苦手で、目印がないとずれる人
- よくある失敗:その日の気分で角度が変わる。スローラインの模様や板目など、足を合わせる目印を決めておく
クローズドスタンス。横を向く立ち方
クローズドスタンスは、前足をスローラインとほぼ平行に置き、肩・腰・足を一直線に的へ向ける立ち方です。英語では side-on と呼ばれ、PDC の Phil Taylor(フィル・テイラー)がよく例に挙がります。
体を横に向けると、腕を前後にまっすぐ振りやすく、毎回同じ角度で立ちやすくなります。上半身を前に倒しやすいのも、選ぶ人が多い理由です。ただし、DARTSLIVE の解説は、前足に体重を乗せすぎると後ろ足が浮いて安定しにくくなると注意しています。
- 向く人:体を前に倒してリリースを的に近づけたい人、腕を前後にまっすぐ振りたい人
- 向かない人:腰・背中に負担を感じる人、体をひねると窮屈な人
- よくある失敗:前に倒れすぎて、投げた後に体が流れる。倒す量は、3 本投げ終えるまで姿勢を保てる範囲にとどめる
オープン
正面を向く
- 角度をそろえやすい
- 前に倒しにくい
ミドル
斜めに立つ
- 調整しやすい
- 角度がずれやすい
クローズド
横を向く
- 腕を前後に振りやすい
- 前足に乗りすぎに注意
どのスタンスでも共通すること。体重と後ろ足
3 つのどれを選んでも、英語圏の解説で共通して言われていることがあります。
- 投げている間、体を動かさない:動くのは腕(おもに肘から先)で、足や腰はその土台。投げる瞬間に前へ踏み込む・跳ぶと、リリースの位置が毎回変わる
- 体重は前足に多め、後ろ足は支え:後ろ足はバランスを取る役。後ろ足を左右に動かすと胴の向きが変わり、腕の通り道も変わる。ヒット位置が左右に流れるときの調整に使われる
- 足をひねらない:投げる途中でつま先やかかとが回ると、ぶれの原因になる
- 同じ靴で投げる:靴底の厚さや滑りが変わると、立ち方も変わる。ダーツ用の靴を決めておく人もいる
どれだけ前に倒すかも人それぞれです。倒すほどリリースは的に近づきますが、そのぶんバランスを崩しやすくなります。「数百本投げても同じ姿勢で、疲れずに立てるか」が見分ける目安です。
スローラインと足の規則
スタンスの形は自由ですが、足の位置には規則があります。DARTSLIVE の大会公式ルール(SUPER DARTS)は、次のように定めています(SUPER DARTS 2025 OFFICIAL RULEBOOK)。
- 足(つま先)がスローラインの前の端を越えなければ、上半身はラインより前に倒してよい
- 投げるときにラインを越えて踏み込んではいけない
- 最後の 1 本を投げ終えるまで、前足も後ろ足もラインの手前に置いておく
- 構えて狙っている間、前足は床についていなければならない
注意
ラインを越えて投げると、大会では反則になります。SUPER DARTS のルールでは、そのターンやゲームを失うなどの処分の対象です。大会によって追加の規則があるので、出る大会の要項も確かめてください。
店で練習するときから、つま先がラインを越えない位置で立つ癖をつけておくと、大会で戸惑いません。距離と高さの規格はダーツの距離と高さで詳しく紹介しています。
スタンスで足が痛いとき
同じ立ち方で長く投げると、足や腰が痛くなることがあります。考えられる候補と、見直せる点を並べます。
| 痛む・疲れる場所 | 候補 | 見直せる点 |
|---|---|---|
| 前足の裏・つま先 | 前足に体重を乗せすぎている | 倒す量を減らす。後ろ足にも少し体重を残す |
| 前足の膝 | 膝を突っ張る、ひねって立っている | 膝を軽くゆるめる。つま先と膝の向きをそろえる |
| 腰・背中 | 横向きで体を強くひねっている | ミドルなど、ひねりの少ない向きを試す |
| 足全体のだるさ | 長時間立ちっぱなし、靴が合わない | ラウンドの合間に座る。クッションのある靴にする |
英国のショップの解説には、背中や腰に不安がある人は斜めのスタンスを選ぶことが多い、とするものもあります。ただし、立ち方を変えれば痛みが治まるとは限りません。痛みやしびれが続く、日常でも痛む、腫れがあるときは、無理に投げ続けず、整形外科などの医療機関に相談してください。腕や肘の痛みはダーツで肘が痛いとき、疲れはダーツで腕が疲れるときも参考になります。
スタンスを変えるときの手順
ヒット位置が左右にばらつく、体が流れる、足が疲れる。こうした理由でスタンスを変えたくなることがあります。いきなり大きく変えると、腕の振りやリリースまで崩れやすいので、次の順で進めると原因を切り分けやすくなります。
- 今の立ち方を撮る真上か斜め後ろからスマートフォンで撮り、足の角度と幅、前に倒す量を確かめる。
- 変える理由を 1 つに決める「左右のばらつき」「足の疲れ」など。理由がはっきりしないまま変えない。
- 1 か所だけ動かす前足の角度、後ろ足の位置、倒す量のどれか 1 つ。グリップやテイクバックは同時に変えない。
- 目印を決める前足のつま先をどこに合わせるか、毎回同じ場所に置けるようにする。
- 数日続けて比べる同じ練習(ブル 30 本など)で、前の立ち方と記録を比べる。1 日で判断しない。
変えた直後は、慣れないぶん入りが悪くなることがよくあります。それだけで元に戻すと、どちらが合っているか分からないままになります。逆に、何週間たっても体が窮屈なら、その形は体に合っていない可能性があります。試合の前にスタンスを大きく変えるのは避ける人が多いです。
スタンスはフォーム全体の土台です。構えから腕の振りまでの流れはダーツの投げ方、構えの作り方と素振りはきれいなダーツフォームの作り方、肘の位置の悩みは肘が下がるときで紹介しています。
まとめ
まとめ
ダーツのスタンスにはオープン・ミドル・クローズドの 3 つの立ち方があり、規則で決まった形はありません。決まりは、足がスローラインを越えないことだけです。
- オープンは角度をそろえやすく、クローズドは腕を前後に振りやすく、ミドルはその中間で調整しやすい
- どれを選んでも、投げている間は足と腰を動かさず、毎回同じ形で立つ
- 変えるときは 1 か所ずつ、数日比べる。足や腰の痛みが続くなら医療機関へ