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ダーツの投げ方

ダーツで手首が痛いのはなぜ?小指側・親指側・甲側の痛みとしびれの見分け方

ダーツで手首が痛いときは、痛む場所で候補をしぼれます。小指側は TFCC と呼ばれる軟骨の負担、親指側は腱鞘炎、甲側はガングリオン、指のしびれは神経の圧迫が候補です。見分け方と、投げ方・量・道具で試せることを並べます。続くなら医療機関へ。

目次
  1. ダーツで手首が痛いのはなぜ?負担がたまる仕組み
  2. 痛む場所で見分ける原因の候補
  3. 手首の小指側が痛いとき
  4. 手首の親指側が痛いとき(腱鞘炎)
  5. 手の甲が痛いとき・しこりがあるとき
  6. 手首から指がしびれるとき
  7. 筋肉痛と、相談したほうがよい痛みの違い
  8. 手首が痛いときに試せること
  9. 痛みやしびれがあるときは
  10. まとめ
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投げ終わると手首の小指側がずきっとする。リリースのたびに手首の親指側が張る。翌朝、手首から先がしびれている。ダーツの手首は、テイクバックで起こし、リリースで前に倒す動作を 1 本ごとにくり返します。手首を大きく使う人も、固めて投げる人も、本数が重なれば手首に負担はたまります。

結論

ダーツで手首が痛いときは、まず痛む場所と痛みの続き方を確かめます。場所で候補がしぼれ、続き方で「量を減らして様子を見るか、医療機関に相談するか」を分けられます。

  • 手首の小指側の痛み、ひねると強まる・カチッと鳴るなら、TFCC(三角線維軟骨複合体)と呼ばれる部分の負担が候補
  • 手首の親指側の痛みは腱鞘炎の一つ(ドケルバン病)、手の甲のしこりや痛みはガングリオンが候補
  • 親指〜薬指のしびれは手首の神経の圧迫(手根管症候群)が候補。しびれ・腫れを伴う、休んでも戻らないときは、自己判断せず医療機関(整形外科など)に相談する

この記事は、痛む場所ごとの候補と見分け方、投げ方・練習量・道具で試せることを並べるものです。けがの診断や治療の代わりにはなりません。病名を決めるのは医師で、ここに書く名前は「相談するときの手がかり」として読んでください。

ダーツで手首が痛いのはなぜ?負担がたまる仕組み

ダーツのスローでは、手首はおもに 2 つの向きに動きます。テイクバックで手の甲側に起こし、リリースに向けて手のひら側へ倒す動きと、小指側・親指側へわずかに傾く動きです。手の外科の研究では、物を投げるときの手首の動きを「dart thrower's motion(ダーツを投げる動き)」と呼び(PMC の論文)、手首を起こしながら親指側へ傾け、倒しながら小指側へ傾ける斜めの動きだと説明しています。日常でもよく使う動きですが、ダーツではこれを短い時間に何百回もくり返します。

24 本カウントアップ 1 ゲームのスロー数
約 240 本10 ゲーム投げたときの本数

手首には、指を動かす腱が何本も通り、骨と骨のあいだを靭帯と軟骨がつないでいます。1 本の負担は小さくても、同じ動きのくり返しで腱や軟骨に負担がたまる、というのが使いすぎ(オーバーユース)の考え方です。手首を固めて投げる人も、固めるために前腕の筋肉が働きつづけるので、負担がないわけではありません。ダーツに限った研究は多くないため、ここから先は、くり返しの動作による手首の痛みの一般的な説明を、ダーツの動作に当てはめたものです。

痛む場所で見分ける原因の候補

指で押して痛い場所、動かして痛む動作を確かめると、候補をしぼれます。表は自分で状態を伝えるための目安で、当てはまっても病名が決まるわけではありません。

痛む場所原因の候補見分け方試せる対処
手首の小指側TFCC(小指側の軟骨と靭帯のまとまり)の負担・損傷ドアノブを回す、タオルをしぼる、手首を小指側へ倒すと痛む。カチッと鳴る、引っかかる投げる量を減らす。リリースで手首をひねる癖を確かめる
手首の親指側腱鞘炎の一つ(ドケルバン病)親指を広げる・動かすと手首の親指側に強い痛み。腫れる親指でバレルを押しつける強さを見直す。量を減らす
手の甲側(しこりがある)ガングリオン米粒〜ピンポン玉ほどのしこり。痛みがないことも多いまず整形外科で診断を受ける
手のひら側+指のしびれ手首の神経(正中神経)の圧迫。手根管症候群など人さし指・中指を中心にしびれる。明け方に強い投げるのをやめて、早めに医療機関へ
手首から前腕にかけての張り使いすぎによる筋肉痛投げた翌日に出て数日で引く。一点だけが痛むわけではない休む。次は本数を減らして様子を見る

説明は、日本整形外科学会の「ドケルバン病」、同「ガングリオン」、同「手根管症候群」、TFCC はeOrthopod の解説によります。

手首の小指側が痛いとき

手首の小指側には、TFCC(三角線維軟骨複合体)と呼ばれる、軟骨と靭帯のまとまりがあります。前腕の骨(尺骨)と手の骨のあいだでクッションと支えの役をしている部分です。英語の解説では、小指側の痛みが中心で、前腕をひねる動作や手首を小指側に倒す動作で強まり、カチッと鳴る・引っかかる・力が入りにくいといった症状を伴うことがあると説明しています。

原因として多く挙げられるのは、転んで手をついたときのけがです。一方で、ひねりを加えながら握る動作のくり返しや、年齢による変化でも傷むことがあるとされています。ダーツで小指側の負担が増えやすい場面を並べます。どれも「そう投げてはいけない」という意味ではなく、痛みがあるときに確かめる場所です。

  • リリースのあと、手首を内側(小指側)へひねるように返している
  • フォロースルーで手首を小指側へ強く折っている
  • 回転をかけようとして、指先で毎回ダーツをひねっている
  • 以前に転んで手をついたことがあり、そのころから違和感がある

よくある失敗は、「手首をこねているせいだ」と決めつけて急にフォームを変えることです。手首の返し方は人によって違い、返す投げ方も返さない投げ方も選択肢です。返し方の見分け方は手首をこねる癖の記事でまとめています。小指側の痛みは、検査をしないと分かりにくいことも多いので、痛みが続くなら整形外科(手の専門の医師がいるところ)に相談してください。

手首の親指側が痛いとき(腱鞘炎)

手首の親指側には、親指を伸ばす・広げる腱が通るトンネル(腱鞘)があります。日本整形外科学会は、ここで腱の動きがなめらかでなくなった状態をドケルバン病と呼び、手首の親指側が痛んで腫れ、親指を広げたり動かしたりすると強い痛みが走ると説明しています。「ダーツで手首の腱鞘炎になった」と言われる痛みの多くは、この場所です。

ダーツのグリップは、ほとんどの握り方で親指が支えになります。親指でバレルを強く押しつけて握る人、リリースの瞬間に親指で弾く人は、この腱を毎回使います。親指の付け根の引っかかりや指の腹の皮むけなど、親指そのものの痛みは親指が痛いときの記事で場所ごとに見分け方を並べています。

手の甲が痛いとき・しこりがあるとき

手の甲側の手首にぷくっとしたしこりがある場合、ガングリオンが候補です。日本整形外科学会によると、中にゼリー状の物質が詰まった腫瘤で、典型的なものは手首の甲側にでき、痛みがないことも多い一方、神経のそばにできると痛みやしびれが出ることがあります。手を使いすぎると大きくなることもあると説明されています。

しこりがなくても、テイクバックで手首を強く起こしたときに甲側が痛む人もいます。手首を起こす角度が毎回大きい、構えたまま手首を反らして待つ時間が長い、という場面で負担が増えます。同学会は、無症状なら放置しても心配はないとしつつ、診断のためにも整形外科を受診するよう書いています。自分で押しつぶすようなことはせず、まず診てもらってください。

手首から指がしびれるとき

手のひら側の手首には、手根管と呼ばれるトンネルがあり、指を曲げる腱と正中神経が通っています。日本整形外科学会は、ここで神経が圧迫されると、初めは人さし指・中指がしびれて痛み、進むと親指から薬指の親指側までしびれ、明け方に強くなることがあると説明しています。原因には、仕事やスポーツでの手の使いすぎも挙げられています。

しびれは、筋肉の痛みとは分けて考えます。小指と薬指がしびれる場合は、肘の内側を通る神経の候補もあり、肘が痛いときの記事で見分け方を書いています。どちらの場合も、しびれが出たら投げるのをやめて医療機関に相談してください。

腱・筋肉の負担が疑われる

動かすと痛み、休むと引く。

  • 特定の動作で痛む
  • しびれはない
  • まず量を減らして様子を見る。続くなら受診

神経が疑われる

しびれや力の入りにくさが出る。

  • 指先がしびれる。明け方に強い
  • 細かい物がつまみにくい
  • 様子を見ずに医療機関へ

筋肉痛と、相談したほうがよい痛みの違い

始めたばかりの人や、久しぶりにたくさん投げた人は、翌日に手首から前腕が張ることがあります。筋肉痛と、腱・軟骨・神経の症状は、続き方で見分けやすくなります。

見るところ筋肉痛に多い相談したほうがよいサイン
出るタイミング投げた翌日〜翌々日投げている最中から、1 本ごとに痛む
場所前腕に広く手首の一点を押すと痛む
続く長さ数日で引く1〜2 週間休んでも戻らない、くり返す
ふだんの動作ほとんど困らないドアノブを回す、ペットボトルを開けるでも痛む
ほかの症状なししびれ、腫れ、カチッという引っかかり、力が入らない

よくある失敗は、筋肉痛のつもりで投げつづけ、痛みが一点に集まってから気づくことです。投げはじめから痛む、日に日に強くなる、という変化があれば、その日は切り上げてください。

手首が痛いときに試せること

痛みが軽く、しびれもないときに、投げ方・練習量・道具で試せることを並べます。どれも合う人と合わない人がいます。痛みが強い・増すときは、試さずに休んでください。

  1. まず投げる量を減らすゲーム数や時間に上限を決める。痛みが出たらその日は終える。
  2. 痛む動作を探すテイクバック、リリース、フォロースルーのどこで痛むかを、ゆっくり素振りして確かめる。
  3. 動画で手首の動きを見る手首を起こす角度、リリース後に手首をひねっていないかを横と正面から撮る。
  4. 握る強さを確かめる落とさない最小の力を探す。強く握るほど手首まわりの腱が働きつづける。
  5. 一度に 1 か所だけ変える投げ方を大きく変えると、肘や肩など別の場所に負担が移ることがある。

手首の使い方には、いくつかの考え方があります。

手首の動きを小さくする

肘から先を振る動きを主にする。

  • 向く人:テイクバックで手首を大きく起こしている人
  • 向かない人:固めようとして前腕が力む人
  • よくある失敗:固めすぎて、かえって前腕が張る

手首は自然に任せる

腕の振りについてくる分だけ動かす。

  • 向く人:手首を意図的に「使って」いる人
  • 向かない人:すでに力が抜けている人
  • よくある失敗:力を抜いた分、腕を強く振る

投げ方は変えない

量と休みで様子を見る。

  • 向く人:フォームが固まっている人
  • 向かない人:特定の動作で毎回痛む人
  • よくある失敗:痛みを我慢して同じ量を投げる

道具では、ダーツの重さやグリップの位置で握る強さが変わることがあります。軽くすると持ち上げる負担は減りますが、手で押し出して力む人もいます。重くすると力を抜いても飛ぶ感覚を得やすい一方、支えるために握りが強くなる人もいます。重さの考え方はバレルの重さの記事、腕全体の疲れは腕が疲れるときの記事で解説しています。

手首のサポーターやテーピングを使う人もいます。手首を支える効果を感じる人がいる一方、動きが制限されて投げ方が変わることもあります。痛みの原因によって合う固定の仕方は違うので、使う前に医師や理学療法士に相談すると安全です。

痛みやしびれがあるときは

手首の痛みは、量を減らして軽くなる場合もある一方、長引くことも少なくありません。日本整形外科学会は、ドケルバン病や手根管症候群について、安静や薬などの保存療法から始め、改善しないときは手術を検討すると説明しています。TFCC の損傷も、多くは装具での固定などで様子を見て、改善しないときに手術を検討するとされています。どの治療が合うかは、診察を受けてから決まります。

注意

痛みやしびれが続く、休んでも戻らない、ふだんの動作でも痛む、腫れている、手首が引っかかる、力が入りにくいときは、投げるのをやめて医療機関(整形外科など)に相談してください。転んで手をついたあとから痛む場合は、骨折などが隠れていることもあります。

受診するときは、いつから痛むか、1 日にどれくらい投げるか、どの動作で痛むか、以前に手首をけがしたことがあるかを伝えると、話が早く進みます。ダーツの動画を見せられるよう用意しておくのも一つの方法です。痛みはないのに腕が固まって出ないときは、イップスで腕が出ないときの記事で見分け方と相談先をまとめています。

まとめ

まとめ

ダーツで手首が痛いときは、痛む場所と続き方で候補をしぼり、まず投げる量を減らします。病名を決めるのは医師で、自己判断で投げつづけないことが大切です。

  • 小指側は TFCC、親指側は腱鞘炎(ドケルバン病)、甲側のしこりはガングリオンが候補
  • 指のしびれは神経の候補。様子を見ずに相談する
  • 痛みやしびれが続くなら、投げるのをやめて医療機関(整形外科など)に相談する

力の入りにくい投げ方の基本はダーツの投げ方、フォーム全体の確認はダーツフォームの作り方で解説しています。