ソフトダーツとハードダーツは両立できる?バレルと距離の違いとその影響

ソフトダーツとハードダーツ

日本でダーツといえば、ソフトダーツ。欧米でダーツといえば、ハードダーツ。
どちらも的に矢を投げる競技ですが、意外といろいろなことが違うのをご存知でしょうか。

今回は、ソフトダーツとハードダーツの違いをご紹介します。

ソフトダーツとハードダーツの根本的な違いとは?

ソフトダーツとハードダーツは視覚的にわかる範囲でも違いがあります。まずは根本的にどのような点で違うのか、確認しましょう。

ソフトダーツとハードダーツはバレル(チップ)が違う

そもそも、ソフトダーツとハードダーツはそれぞれ、次のように呼ばれます。

日本での呼び方ソフトダーツハードダーツ
英語圏での呼び方Soft Tip DartsSteel Tip Darts

英語圏での呼称からわかるように、チップがプラスチックなど柔らかい素材でできているか、金属でできているかで区別しています。日本では便宜的に、柔らかい・硬いの違いでソフトダーツ・ハードダーツと呼び分けていますが、基本的にはチップの違いを表していると考えてられます。

ソフトダーツでは、チップは消耗品と考えます。チップは取り外すことができ、折れたり極端に曲がったりすると交換します。一方でハードダーツでは、チップ(ポイント)を交換することはあるものの、消耗品とは考えません。ポイント交換にも特殊な器具が必要で、お店などで外してもらうことができます。(交換不可のハードダーツもあるため、ご注意ください)

チップが違うということは、的の材質も違います。

ソフトダーツの場合、プラスチックのチップを受けられるよう、プラスチックに沢山の穴が空いた的を使います。投げるたびに的が著しく劣化するということはありませんが、割れたり詰まったりした場合には、自宅でもお店でも的を交換する必要があります。
ハードダーツの場合は、針の先端を受けられるように、的は麻でできています。投げれば投げるほど的は目に見えて劣化していくため、ソフトよりも高頻度で的のメンテナンス・交換が必要です。

ソフトダーツを探す
ハードダーツを探す

ソフトダーツとハードダーツは距離が違う

ソフトダーツとハードダーツとでは、的までの距離が違います。ソフトダーツの距離は「244cm」、ハードダーツの距離は「237cm」なので、ソフトダーツの方が少し遠くなります。基本的には的までの距離が近ければ狙いやすくなるため、距離だけでみればソフトダーツの方が難しい(狙ったところに当てにくい)といえそうです。

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ちなみに、的の高さはどちらも床から的の中心までが「173cm」です。

ソフトダーツとハードダーツは的の大きさが違う

実はソフトダーツとハードダーツとではもう一つ、的のサイズが違います。ソフトダーツはボードの直径が15.5インチ(39.37cm)、ハードダーツは13.2インチ(33.53cm)です。
ソフトダーツの方が、見てわかる程度に的が大きいです。

サイズという観点では、ハードダーツのほうが難しい(狙ったところに当てにくい)ことがわかります。

結局、ソフトダーツとハードダーツはどっちが難しい?

もう一つ競技としての違いを挙げるとすれば、ソフトダーツは刺さらなくてもマシンが反応すれば得点となります。一方でハードダーツは刺さらずに弾かれてしまうと得点となりません。そんなに違うの?と思うかもしれませんが、1本で平均40点近くを叩き出しているトップ選手では、この違いも最終的なスタッツ(成績)に影響を及ぼすはずです。

どちらが難しいか、という比較は適切ではないかもしれません。しかし、同一選手の平均点数で比較してみると、(ソフト選手でもハード選手でも)ソフトダーツの方が高得点となります。つまりハードダーツのほうが狙ったところに当てにくく、難しい競技であると考えられるでしょう。

ソフトダーツとハードダーツの違いを踏まえた投げ分け

さて、ソフトダーツとハードダーツとでは根本的に違います。それを踏まえて、投げ方を変えるなどプレイヤーが意識すべきことはあるのでしょうか。

ソフトダーツとハードダーツで投げ方は違う?

ソフトダーツとハードダーツとで投げ方が違うかどうか、というのはかなり難しい問いです。

例えば、ハードダーツで一時代を築いたフィル・テイラー選手は、ソフトダーツも一流で、来日してソフトダーツをした際は日本のトッププレイヤーを超える平均スタッツを記録しています。フィル・テイラー選手がソフトとハード、両方で投げ方を変えていないのなら、ハードダーツの投げ方でソフトダーツをしても結果がでているため、投げ方は変えなくていいと考えられます。

また、ソフトダーツで国内女子トッププレイヤーである鈴木未来選手は、ハードダーツの世界大会で2度優勝しています。(試合中、海外の実況の方も度々ソフトとハードの違いについて話題にあげていました。)つまり、ソフトダーツの投げ方でハードダーツの試合に勝つことも可能だということです。

しかし、日本のソフトダーツのプロ団体が海外のハードダーツプレイヤーを招待したところ、散々な結果に終わるという事態も起きています。彼らは、「ハードダーツの技術を使えなかった」と発言していたようです。

結果だけみれば投げ方を変える必要はないとも考えられそうですが、それぞれに特有の技術があるのも事実。なので、投げ方に関しては「人による」というのが今の答えでしょう。

ソフトダーツとハードダーツで感覚は違う?

投げてみてわかるように、ソフトダーツとハードダーツとでは投げたときの感覚が違います。よくあるのは、次のような感覚の違いでしょう。

    • ソフトダーツは軽い
    • ハードダーツ先端が重たく感じた
    • ハードダーツは刺さるときにまっすぐ刺さらなくて違和感があった

商品を比較すると、やはりソフトダーツは軽いです。平均して18~20グラムの商品が多く、投げてわかるほどに軽いはずです。ハードダーツの商品は25グラムを超えるモデルもたくさんあります。何を選ぶかで違いますが、重さの違いはそのまま感覚の違いになるでしょう。

関連記事:
ダーツバレルに重さ規定はある?初心者におすすめの重さ・重さ調整法も解説

はじめにご紹介したチップの違いも感覚に大きな影響を与えます。ダーツのチップが金属であれば、それだけずっしりと重さを感じます。

刺さり方(見え方)の違いも感覚の差異と言えます。ソフトダーツはチップが的の穴に収まって刺さるため、常にまっすぐ刺さります。一方で、ハードダーツは的に当たる角度そのままに刺さることが多いです(ソフトダーツにコンバージョンポイントをつけている場合など、針が太いと刺さってから動くこともあります)。

3つ例にあげましたが、長くプレイしていくと他にも感覚の違いがあるはずです。感覚の違い影響が大きいので、きちんと理解しておくといいでしょう。

ソフトダーツとハードダーツで練習法は違う?

ソフトダーツとハードダーツの練習は、間違いなく違います。なぜなら、距離や的のサイズが違うだけでなく、感覚が違うからです。

ソフトダーツの練習と、ハードダーツの練習は分けた方がいいでしょう。ただ、具体的な練習内容をどうすべきか、というのは難しいところです。

そこで最低限、例えば、ソフトダーツの練習をするなら麻でなくプラスチックの的に244cm離れたところから投げる、というように距離や的などの環境は練習したい方に揃えるべきでしょう。

結局、ソフトダーツとハードダーツは両立できる?

ソフトダーツとハードダーツの両立は可能です。

ここまでソフトダーツとハードダーツの違いを強調してご紹介しましたが、同じところも沢山あります。
ほとんど同じだからこそ、少しの違いをきちんと意識する。それがソフトダーツとハードダーツの両立における肝でしょう。

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