ダーツの試合前の練習は何をする?アップの時間・本数とメニューの組み方
ダーツの試合前の練習は、体をほぐす→投げ方の確認→試合の形式に寄せる、の順で組むのが基本です。時間は 15〜30 分ほどを目安に、疲れを残さない量にします。前日の練習、会場で練習台が使えないとき、入らないときの考え方まで並べます。
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結論
試合前の練習は、上手くなるための練習ではなく、いつもの投げ方を思い出す時間です。体をほぐす → 投げ方を確かめる → 試合の形式に寄せる、の 3 段で組むと、短い時間でも試合に入りやすくなります。
- 時間の目安は 15〜30 分ほど。長く投げるほど良いわけではなく、疲れを残さない量にとどめる
- 最初は狙いより「腕がまっすぐ出ているか」を見る。結果で投げ方を変えない
- 最後は 01 のアレンジやクリケットのナンバーなど、最初の試合で投げる形に寄せる
この記事では、試合前の練習の組み立て方を、時間・本数・メニューの順に並べます。会場で練習台が使えないとき、アップで入らないときの考え方、前日の練習もあわせて扱います。決まった正しい手順があるわけではないので、選択肢と向き不向きを見ながら、自分の形を作ってください。
ダーツの試合前の練習は何のためにする?
試合前に投げる目的は、大きく 3 つあります。
| 目的 | 確かめること | やりすぎたときの失敗 |
|---|---|---|
| 体を温める | 肩・肘・手首が固くないか。指の感覚 | 腕が疲れて、試合の後半に飛びが落ちる |
| 投げ方を思い出す | スタンス、グリップ、リリースのタイミング | 入らない理由を探して、投げ方をいじり始める |
| 会場に慣れる | ボードの見え方、照明、床、機種、まわりの音 | 周りの人の点数が気になって集中が切れる |
家やいつもの店での練習は、苦手を直したり、新しい投げ方を試したりする時間です。試合前は逆で、新しいことを足さないのが多くの解説で共通しています。英語圏のコーチングの記事でも、アップの最中に試合のような負荷をかけない、入らない的を叩き続けない、といった注意が並びます(Warming Up To Throw Darts)。
アップは「入ったかどうか」を測る場ではなく、体と投げ方の準備の場だ、という考え方です。相手の練習投げの結果も、試合の結果とは別のものとして見ておくと、余計な焦りを持ち込みにくくなります。
試合前の練習の時間と本数の目安
アップに使える時間は、大会の進行と会場の台数で決まります。目安として、次の数字がよく挙がります。
スティールの WDF の大会では、割り当てられた試合ボードで試合前に 6 本の練習投げを認める規定が見られます(WDF Americas Cup の規定)。同じ WDF の公認大会でも、Dutch Open は 9 本と定めています(Dutch Open の規則)。つまり本数は大会ごとに違います。
ソフトダーツの大会では、試合前の練習投げの扱いは大会ごとの要項によります。DARTSLIVE の公式ルールブックでも、規定にないことは各大会の規定に従うとされています(SUPER DARTS のルールブック)。当日は、試合台で練習投げができるか、空いている台を使ってよいかを、要項か運営に確かめてください。
注意
試合の始まった台や、割り当てられていない試合台での練習を禁止している大会があります。空いているように見えても、運営の案内なしに試合台で投げないでください。
長く投げれば良いわけではない
アップの時間は、長いほど安心に感じます。ただ、何時間も投げ続けると疲れて集中が切れる、という注意も英語の解説には出てきます。試合は 1 日に何試合も続くことがあるので、最初の試合までに腕を使い切らないことが大事です。腕の疲れについてはダーツで腕が疲れるのはなぜ?で詳しく扱っています。
逆に、ほとんど投げずに入る人もいます。家で体を温めてきた、すぐ感覚が戻るタイプだ、という人には合いますが、会場の照明やボードの見え方に慣れないまま最初のレグを迎えることになります。
試合前の練習メニューの組み方
多くの解説に共通する流れは、軽いものから試合に近いものへ、です。順番に意味があるので手順として並べます。
- 体をほぐす(投げる前に数分)肩を回す、手首を振る、肩まわりを伸ばす。投げずに素振りで、腕がまっすぐ出るかを見る。
- 大きな的に軽く投げるブルや 20 のシングルなど、狙いやすい場所に数ラウンド。入ったかより、ヒット位置のまとまりと、リリースのタイミングを見る。
- ボードの上下左右に投げる上(20)、下(3)、左(11)、右(6)のように散らし、どの方向でも腕の出方が変わらないかを確かめる。
- 試合の形式に寄せる01 なら上がりの数字とアレンジ、クリケットなら 15〜20 とブル。最初の試合で投げる形を最後に持ってくる。
- 少し休んで、直前に数本呼ばれる直前に数ラウンドだけ投げ、温まった状態で台に向かう。
英語の解説には、シングルを順に回ってから、ダブルのアラウンド・ザ・クロック、トリプルの 10 から 20、最後にブルを数十本、という組み方も紹介されています(Shot Darts の解説)。一人で使えるゲームの使い分けはダーツの一人練習ゲームを比較にまとめています。
01 とクリケット、最初の形式で変える
最後の段は、最初に投げる試合の形式で変えると無駄がありません。
01 が最初
上がりの感覚を作る
- 40〜80 あたりの残りから上がる練習
- よく使うダブル(16・20 など)を数ラウンド
- ブルで上がる形なら、ブルを最後に
クリケットが最初
ナンバーを散らして投げる
- 20・19・18 など上から順に 3 本ずつ
- 下のナンバー(15・16)の感覚も確かめる
- ブルを数ラウンド
形式が混ざる
両方を短く
- ブルと 20 で投げ方を確かめる
- 上がりを 2〜3 回
- クリケットのナンバーを 1 周
上がりの練習の組み方はダーツの上がりの練習で、残り点数ごとに並べています。
パートナーと投げるか、一人で投げるか
チーム戦やダブルスなら、組む相手と投げる方法もあります。英語の解説では、相手がいると軽いプレッシャーがかかって試合に近くなる、と書かれています。一方で、話しながら投げると自分の感覚に集中しにくい人もいます。前半は一人、最後だけ相手と、という分け方もできます。
会場で練習台が使えないときは
参加者が多い大会では、練習台が取り合いになります。1 人で台を 20〜30 分使える状況は多くありません。台が使えないときの選択肢を並べます。
| 方法 | 向く人 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 早めに着いて空いた台で投げる | アップに時間をかけたい人 | 早く投げすぎると、試合まで間が空いて体が冷える |
| 家や近くの店で投げてから向かう | 会場が混むと分かっている人 | 移動中に冷えるので、会場で素振りと数本を足す |
| 素振りとストレッチだけで入る | すぐ感覚が戻る人 | 最初の数ラウンドで様子を見る前提で入る |
| 相席で数ラウンドずつ投げる | 短く区切って投げられる人 | まわりの点数を気にしない。声をかけてから入る |
英語圏の大会向けの解説には、最初の試合の数時間前から準備を始め、試合の 15〜30 分前に会場の台で最終確認をする、という組み方もあります(Shot Darts の大会当日の準備)。調子が良い日は 15 分おきに数本で十分、寝不足や腕が張っている日は長めに、と日によって量を変える考え方です。
機種とボードの違いを確かめる
ソフトダーツでは、会場の機種(DARTSLIVE か PHOENIX か、どの世代か)でボードの見え方や刺さり方の感触が変わることがあります。いつもと違う機種なら、アップの最初に数ラウンド投げて、見え方だけ確かめておくと落ち着きます。スローラインの位置がいつもの店と違って見えるときは、立ち位置の目印(つま先の位置)を決め直します。
試合前の練習で入らないときは
アップで入らないと、試合が不安になります。ここでの失敗は、入らない理由を探して投げ方を変えてしまうことです。グリップやスタンスを当日いじると、試合中にさらに迷いやすくなります。
| 入らない様子 | 考えられること | 試せること |
|---|---|---|
| 最初の数ラウンドだけ散る | 体がまだ温まっていない | ストレッチを足し、ゆっくり投げる |
| 全体に上か下へずれる | 立ち位置・見え方・照明の違い | 立ち位置を確かめる。狙いを変えて合わせない |
| 投げるほど落ちていく | 疲れ、または力み | 投げるのを止めて休む。本数を減らす |
| 手が震える・腕が縮こまる | 緊張 | 深呼吸、いつもの準備の動作をくり返す |
上下のずれは、ボードの高さや取り付けの傾きが原因のこともあると英語の解説は書いています。自分のせいと決める前に、台の状態を疑う選択肢も持っておくと、気持ちを切り替えやすくなります。
緊張で手が震えることについては、試合の緊張で手が震えるときの原因と対処で、場面ごとの考え方を並べています。緊張への向き合い方は人によって違い、確実に消せる方法があるわけではありません。震えや腕の痛み、しびれが試合のときに限らず続くなら、自己判断せず医療機関に相談してください。
試合の前日はどれくらい練習する?
前日の練習量も、考え方が分かれる点です。
いつもどおり投げる
感覚を切らさない
- 毎日投げている人に向く
- 量は普段と同じか少し少なめ
- 新しい投げ方は試さない
軽めにする
疲れを残さない
- 腕や肩が張りやすい人に向く
- 短い時間で、入った形を確かめて終える
- 寝る時間を優先する
休む
体を回復させる
- 直前まで投げ込んだ人、痛みがある人に向く
- 当日のアップを少し長めに取る
- 感覚が戻るまで時間がかかる人には向きにくい
どれを選ぶにしても、前日に投げ方を大きく変えないことは共通しています。練習の量と時間の決め方はダーツの練習の量と質で扱っています。
当日の準備で忘れやすいこと
- よく眠る。寝不足の日はアップを長めに取る
- 試合中に食事を取りにくい会場もあるので、先に食べておく
- チップの予備、フライト・シャフトの予備、ダーツケース。替えた直後の道具で試合に入らない
- 試合の合間は、体を冷やさない服装で待つ
試合と試合のあいだの過ごし方
1 日に何試合も投げる大会では、試合のあいだの待ち時間も準備のうちです。長く空くなら、次の試合の前にもう一度、ストレッチと数ラウンドを入れます。間が短いなら、投げずに休んで腕を回復させるほうが合う人もいます。
前の試合の悪かったところを、待ち時間に練習台で直そうとするのはよくある失敗です。気づいたことはメモに残し、直すのは後日の練習に回すと、次の試合に持ち込みにくくなります。記録の残し方はダーツの練習記録のつけ方にあります。
投げ方の基本に立ち返りたいときは、ダーツの投げ方のまとめから、スタンス・グリップ・リリースの項目を確かめてください。
まとめ
試合前の練習は、いつもの投げ方を思い出して、温まった状態で試合に入るための時間です。量より順番と、疲れを残さないことを優先します。
- 体をほぐす → 大きな的 → 上下左右 → 試合の形式、の順で 15〜30 分ほど
- 練習投げの本数や練習台の使い方は大会の要項による。試合台は案内なしに使わない
- 入らなくても投げ方は変えない。痛みやしびれ、震えが続くなら医療機関へ