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ダーツの練習

ダーツは「とにかく投げる」で上手くなる?練習の量と質、時間の決め方

ダーツは、とにかく投げる量で覚える段階と、目的を決めて質を上げる段階があります。適当に投げる練習の効き目と落とし穴、1 日の練習時間の目安、練習しすぎのサインを比べ、自分に合う配分の決め方をまとめます。

目次
  1. ダーツは「とにかく投げる」で上手くなるのか
  2. 「適当に投げる」練習と「目的を決める」練習の違い
  3. ダーツの練習時間はどれくらいがよい?
  4. 練習しすぎのサインと、やめどき
  5. 量と質の配分を決める手順
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「ダーツはとにかく投げれば上手くなる」と言われて、仕事帰りに毎日何十ゲームも投げている。それなのに、レーティングが上がらない。反対に、「適当に投げても意味がない」と聞いて、何をどれだけ投げればよいのか分からなくなった。ダーツの練習でいちばん多い迷いの一つが、この量と質の配分です。

結論

「とにかく投げる」は、動きを体に覚えさせる段階ではよく効きます。ただし、同じ投げ方をくり返すほどその癖が固まるので、ある程度投げられるようになったら、目的を決めた練習を混ぜると伸びが変わりやすくなります。

  • 量の練習は「慣れ」と「再現性」、質の練習は「弱点の修正」に向く。どちらか一方ではなく配分で考える
  • 海外の解説では、集中が続く 20〜25 分ほどを 1 区切りにし、休みを挟む考え方が多い
  • 疲れでフォームが崩れてからの本数は、崩れた投げ方の練習になりやすい。痛みやしびれが続くなら医療機関へ

この記事では、「とにかく投げる」練習と「目的を決める」練習の違い、練習時間の目安、練習しすぎの見分け方を順に並べます。どちらが優れているかではなく、今の自分にどちらが足りないかを決める材料として使ってください。

ダーツは「とにかく投げる」で上手くなるのか

答えは「ある段階までは上手くなる、その先は投げ方しだい」です。ダーツは、同じ距離から同じ的に同じ動きをくり返す競技です。始めたばかりのころは、構え・テイクバック・リリースの一連の動きがまだ毎回ばらばらなので、投げる本数を増やすだけで動きがそろい、ブルに入る回数が増えていきます。

一方で、英語圏のコーチの解説では「練習は完璧をつくるのではなく、くり返したものを定着させる(Practice makes permanent)」という言い方がよく使われます(GoDartsPro の解説)。くり返した動きは、良い癖も悪い癖も同じように体に残る、という考え方です。手首を急に引っかける癖や、リリースで肘が下がる癖があるまま何千本も投げると、その癖ごと固まります。

つまり「とにかく投げる」こと自体が悪いのではなく、何をくり返しているかで効き目が変わります。量は、今の投げ方を強くする力です。今の投げ方が合っていれば伸び、ずれていればずれたまま安定します。

「適当に投げる」練習と「目的を決める」練習の違い

ここでいう「適当に投げる」は、手を抜くという意味ではなく、テーマを決めずにゲームを回す練習のことです。カウントアップや 01 をひたすら続ける、友人と対戦をくり返す、といった形が多いでしょう。それぞれの向き不向きを並べます。

とにかく投げる(量)

本数を重ねて、動きと的に慣れる

  • 始めて間もない人、久しぶりに投げる人に向く
  • 投げる楽しさが続きやすい
  • 癖があると、その癖も固まる

目的を決める(質)

1 つのテーマに絞って投げ、結果を確かめる

  • 伸びが止まった人、弱点がはっきりした人に向く
  • 記録を取ると変化が見えやすい
  • 単調で、集中が切れやすい

実戦(対戦・試合)

点数や相手がいる場面で投げる

  • 緊張の中で投げる経験が積める
  • アレンジや戦術を覚えられる
  • 1 本ごとの振り返りはしにくい

3 つは置き換えではなく、役割の違う練習です。海外の解説でも、501 のようなゲームばかりを回すと「全部を少しずつ練習して、何も特に伸びない」状態になりやすいと指摘され、得点・上がり・まとまりなどに分けて練習する方法が紹介されています(GoDartsPro)。ソフトダーツなら、ブル・カウントアップ・クリケットのナンバー・01 の上がりに分けると考えやすくなります。

「目的を決める」とは具体的にどういうことか

目的を決める練習は、難しいメニューのことではありません。次のように、1 回の区切りで見ることを 1 つだけ決めて投げることです。

決めること例確かめ方
狙う場所20 分はブルだけ/20 トリプルだけ入った本数を数える
体の 1 点リリースで手首を止めないスマートフォンで横から撮る
まとまり3 本の間隔をそろえる3 本の広がりを指何本分かで見る
上がり01 の残り 40 点前後から上がる何ラウンドで上がったかを記録

よくある失敗は、テーマを 2 つも 3 つも同時に持つことです。肘と手首と目線を一度に気にすると、どれが効いたのか分からなくなります。一人でできるゲームの選び方は「一人練習ゲームの比較」に、狙い方の考え方は「ダーツの狙い方」にまとめています。

ダーツの練習時間はどれくらいがよい?

練習時間について、公式の団体が決めた基準はありません。ここで紹介するのは、海外の解説やプロの発言から見える傾向です。

20〜25 分集中して投げる 1 区切りの目安として挙げられることが多い長さ
3〜5 分区切りの間に入れる短い休みの例
24 本カウントアップ 1 ゲームのスロー数(8 ラウンド × 3 本)

ダーツメーカーの Winmau の記事は、集中が保てるのは 20〜25 分ほどで、そのあと 3〜5 分休んでから次の区切りに入り、45〜60 分投げたら 30 分以上の長い休みを取る、という組み方を紹介しています(Winmau の記事)。ただし、この数字は勉強法で知られる「25 分集中して短く休む」考え方を当てはめたもので、ダーツの研究で確かめられた値ではありません。目安の一つとして受け取るのがよいでしょう。

また、PDC の世界ランキング 1 位になったルーク・ハンフリーズ選手は、始めたころは毎日 4 時間ほど投げていたが、今は 1 日 1〜2 時間までで、休む日もあると話しています(DartsNews)。トップ選手でも、毎日長く投げればよいとは考えていないことが分かります。

長く 1 回より、短く何回も

時間の長さと同じくらい語られるのが、頻度です。海外のダーツ解説サイトの dartbase は、週に 1 回 7 時間投げるより、平日に 30 分ずつ、週末に少し長めに投げるほうが伸びやすいとし、気持ちが乗らない日は 15〜30 分休んでから再開するよう勧めています(dartbase)。

理由として考えられるのは、間が空くと感覚を取り戻すのに毎回時間がかかることと、長時間になるほど後半は疲れた状態で投げることです。週末にまとめて投げる人は、最初の数ゲームが「戻すための時間」になっていないかを見てみてください。

とはいえ、生活の都合で週 1〜2 回しか投げられない人も多いはずです。その場合は、1 回の中で「慣らし」「テーマ練習」「ゲーム」と区切ると、長い時間を漫然と過ごしにくくなります。

練習しすぎのサインと、やめどき

「とにかく投げる」を続けていると、気づかないうちに練習しすぎになることがあります。量が多すぎるかどうかは、時間よりも、投げている中身の変化で見分けやすくなります。

サイン起きていることの候補試せること
後半ほどダーツが下に落ちる腕や肩の疲れで、腕が上がりきっていないそこで区切って休む、その日は終える
狙う前に投げてしまう集中が切れて、手だけが動いている1 本ごとに構え直す、休みを入れる
スタッツが日ごとに下がる疲れが抜けきらないまま投げている投げない日を作って比べる
指・肘・肩に痛みが残る同じ動きのくり返しによる負担投げるのをやめ、続くなら医療機関へ

疲れてフォームが崩れたあとに投げた本数は、崩れたフォームの練習になりやすい、という点は量を重ねる人ほど気をつけたいところです。腕のどこが疲れるかで原因をしぼる方法は「ダーツで腕が疲れる原因」で詳しく扱っています。

注意

投げていて指・手首・肘・肩に痛みやしびれが出たときは、練習量で解決しようとせず、その日は投げるのをやめてください。休んでも痛みやしびれが続く、くり返す場合は、自己判断せず整形外科などの医療機関に相談してください。

量と質の配分を決める手順

自分に合う配分は、上達の段階と、何が足りないかで変わります。次の順で決めると迷いにくくなります。

  1. 今の段階を確かめる投げるたびに構えや持ち方が変わるなら、まだ量で動きをそろえる段階。毎回ほぼ同じ動きができるなら、質の練習を混ぜる段階です。
  2. 足りないものを 1 つ選ぶブルの本数、トリプルの精度、01 の上がり、緊張した場面など、スタッツやゲームの結果から 1 つ選びます。
  3. 1 回の練習を区切る最初の数ゲームは慣らし、次の 20 分前後をテーマ練習、残りをゲームや対戦、のように分けます。
  4. 結果を記録する入った本数やスタッツをメモしておくと、量を増やしたときと、テーマを決めたときの違いが比べられます。
  5. 2〜4 週間で見直す数字が動かなければ、テーマか配分を変えます。数日の上下では判断しません。

段階ごとの配分の例を表にまとめます。あくまで例なので、楽しく続けられる形に合わせて変えてください。

段階量(ゲームを回す)質(テーマ練習)実戦
始めたばかり多めブルを狙うなど 1 つだけ楽しむ程度
動きがそろってきた半分ほど弱点を 1 つ週に何回か
伸びが止まった少なめ多め・記録をつける試合や対戦で確かめる

60 分の練習を区切る例

たとえば、仕事帰りに 1 時間投げられる日なら、次のように区切れます。カウントアップは 1 ゲーム 24 本なので、ゲーム数からおおよその本数も見積もれます。

時間内容ねらい
最初の 10 分カウントアップを 2〜3 ゲーム体を慣らし、その日の調子を見る
次の 20 分テーマ練習(例:ブルだけ)入った本数を数えて記録する
休み 5 分座る、水を飲む集中と腕の疲れを戻す
残りの 25 分01 やクリケット、対戦テーマを実戦の中で試す

この例でも、量(慣らしとゲーム)と質(テーマ練習)が両方入っています。30 分しかない日は、慣らしを短くしてテーマ練習だけにする、時間が多い日は区切りを 2 回くり返す、という具合に伸び縮みさせられます。

上手い人は「とにかく投げた」のでは?

上手な人に練習法を聞くと「とにかく投げた」と答えることがよくあります。これは嘘ではなく、始めたころに多くの本数を投げた時期があるという意味であることが多いでしょう。前に挙げたハンフリーズ選手も、始めたころは毎日長く投げていました。

ただ、その人たちが投げながら何も考えていなかったとは限りません。入ったときの感覚を確かめたり、外れた向きを気にしたりと、本人が意識しないうちに「確かめながら投げる」ことをしている場合もあります。同じ「とにかく投げる」でも、1 本ごとに結果を見ているかどうかで中身は変わる、と考えておくと参考にしやすくなります。

よくある失敗

  • 量を増やせば解決すると考える:伸びが止まったときに本数だけを増やすと、止まった原因の癖まで強くなることがあります。レーティングが止まったときの見直し方は「レーティングが上がらないとき」を参考にしてください。
  • 質にこだわりすぎて投げなくなる:フォームを考えすぎて、1 本投げるたびに止まってしまう人もいます。考えずに投げる時間も、動きを自然にするためには必要です。
  • 毎回テーマを変える:1 日ごとにテーマを替えると、何が効いたか分かりません。数週間は同じテーマを続けると比べやすくなります。

投げ方そのものを見直したいときは、プッシュ型・スイング型などの違いを並べた「ダーツの投げ方」から確かめてみてください。

まとめ

「とにかく投げる」は、動きを覚える段階で効く練習です。ただ、くり返した動きは癖も含めて定着するので、ある程度投げられるようになったら、目的を決めた練習と組み合わせると変化を確かめやすくなります。

  • 量・質・実戦は役割の違う練習。今足りないものから配分を決める
  • 時間は 20〜25 分の区切りと休みを目安に、長く 1 回より短く何回も、という考え方が多い
  • 疲れで崩れたら区切る。痛みやしびれが続くなら医療機関に相談する