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ダーツの投げ方

ダーツのリリースポイントを早くする方法。遅い・早いの見分け方と直し方

ダーツのリリースが遅いと下へ、早いと上へ外れやすくなります。ただし原因はリリースだけとは限りません。握る強さ・腕の速さ・肘の動きを切り分け、リリースを早くする、遅くするための練習を選択肢として並べ、見分け方と手順を解説します。

目次
  1. リリースポイントとは。早い・遅いで何が変わる?
  2. リリースが遅い・早い原因の候補と見分け方
  3. リリースポイントを早くする方法
  4. リリースを遅くする方法。早すぎて上に外れるとき
  5. リリースのタイミングをそろえる練習
  6. リリースのタイミングが急に合わなくなったとき
  7. よくある質問
  8. まとめ
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ブルを狙うと、ダーツが下へ刺さる。もっと早く離したいのに、指からなかなか抜けてくれない。リリースポイント(ダーツが手を離れる位置)の悩みは、ダーツが上下にばらつく人の多くが一度は通る悩みです。

結論

リリースが遅いとダーツは下へ、早いと上へ外れやすくなります。ただし上下のずれは、腕の速さや肘の動きでも起きます。まず「本当にリリースの位置がずれているのか」を確かめてから、直し方を選びます。

  • リリースを早くしたいときは、握る強さ・引く量・離す目印を一つずつ変えて比べる
  • 早い・遅いを直すより、毎回同じ位置で離れることのほうが結果に関わりやすい
  • 動画とヒット位置を合わせて記録し、変更は一度に一つにする

この記事では、リリースが早い・遅いときに起きること、原因の候補と見分け方、リリースを早くする方法と遅くする方法、タイミングをそろえる練習の順に説明します。スロー全体の流れはダーツの投げ方にまとめています。

リリースポイントとは。早い・遅いで何が変わる?

リリースポイントは、ダーツが指から離れる瞬間の手の位置のことです。ダーツのスローでは、手は顔の近くから前へ、弧を描くように進みます。弧の途中のどこで離すかによって、ダーツが飛び出す向きが変わります。

早い 上へ いつもの位置 遅い → 下へ 手の通り道(横から見た模式図)
手が弧を描くとき、離す位置で飛び出す向きが変わる。角度や距離は模式。

弧の手前(早い位置)で離すと、手はまだ上向きに動いているため、ダーツは上向きに飛び出します。弧の先(遅い位置)で離すと、手はすでに下向きに動き始めていて、ダーツは下向きに出ます。英語の解説でも、早いリリースは上へ、遅いリリースは下へ外れやすいと説明されています(Throwing Errors)。

リリース飛び出す向きよく出るヒット位置
早い上向き狙いより上。20 を狙うとトリプルを越えて上のシングルへ
いつもの位置狙った向き狙いの近く
遅い下向き狙いより下。ブルを狙うと 3 や 19 のほうへ

左右のずれは、主に手が動く向きと、離した位置で決まります。上下のずれには、離すタイミングに加えて、腕を振る速さも関わります。オランダの研究者による論文では、投げる速さが遅いとダーツは下へ、速いと上へ外れると説明されています(Smeets ほか, 2002)。上下に外れたから原因はリリース、とすぐには決められないのはこのためです。

リリースが遅い・早い原因の候補と見分け方

リリースのずれには、いくつかの原因の候補があります。英語の解説や指導の説明でよく挙がるものを、見分け方と合わせて並べました。どれか一つに決めつけず、自分の投げ方に当てはまるものを探す表として使ってください。

原因の候補起きやすいずれ見分け方
握りが強すぎる遅い・下へ指先が白くなる。離した後も指が閉じている
握りがゆるすぎる早い・上へ引いたときにダーツが手の中で動く
引きすぎ・テイクバックが毎回違うどちらにも動画で引き終わりの位置がそろわない
手首を最後にこねる主に上へ、ときに下へ上下のばらつきが不規則
リリースの前に肘が下がる下へ横からの動画で、離す前に肘の位置が下がる
押す力が弱い(腕が遅い)下へ放物線が大きく、刺さる角度が上向き
狙いを意識しすぎて手を止める遅い・下へ大事な場面や 1 本目だけ下に外れる

握りの強さとリリースの関係は、英語の解説でよく説明されています。強く握りすぎるとダーツが指から抜けるのが遅れて下へ、ゆるすぎると早く抜けて上へ外れる、という説明です(Throwing Errors)。握りが落ち着かないときはグリップが定まらないときの見直し方も合わせて読んでください。

リリースのずれか、腕の速さのずれかを見分ける

同じ「下に外れる」でも、リリースが遅れたのか、腕の振りが弱かったのかで直す場所が違います。目安は、ダーツの刺さり方と飛び方です。

  • 下向きに飛び出して、刺さった後ろ側(フライト側)が上がっている:リリースの遅れを疑う
  • 山なりに大きく飛び、ゆっくり落ちて下へ刺さる:腕の速さ(押す力)の不足を疑う
  • 上下のずれが毎回ばらばら:タイミングがそろっていない可能性。早い・遅いの一方向ではない

この見分け方は目安で、刺さる角度はバレルの重さやシャフトの長さでも変わります。一本だけで判断せず、同じ的へ 10〜20 本投げた傾向で見てください。刺さる角度の違いは飛びが暴れるときの確かめ方でも扱っています。

肘が下がって下へ外れる場合

英語の解説では、ランダムに下へ外れるときは肘が下がっている、ランダムに上へ外れるときは手首をこねている、という説明もあります(Throwing Errors)。肘が先に下がると、手の弧が下向きに傾き、同じタイミングで離しても下向きに飛び出します。本人には「リリースが遅い」と感じられることがあります。肘の見方は肘が下がるときの見分け方で詳しく説明しています。

リリースポイントを早くする方法

ダーツが下へ外れやすく、原因がリリースの遅れらしいと分かったら、早く離すための方法を試します。選択肢を並べます。向く人と、よくある失敗も合わせて読んで、自分に合いそうなものから一つずつ試してください。

方法向く人よくある失敗
握る力を少しゆるめる指先に力が入り、離した後も指が閉じている人ゆるめすぎて、引いたときにダーツが動く
引く量を少し小さくする大きく引いて、前へ出す時間が長い人小さく引いた分を力で補い、押しが強くなる
離す目印を前より手前に置く「ここで離す」という意識がない人目印を気にしすぎて腕が止まる
狙う位置を少し上に置くリリースの位置は安定していて、毎回少し下に刺さる人リリースのばらつき自体は直らない
腕の振りを少し速くする山なりの飛びで、ゆっくり下へ落ちる人速さを上げて力み、かえって遅れる

握る力を変えてみる

握る強さは、リリースの位置に関わりやすい部分です。強く握ると、指を開くまでに時間がかかり、そのぶん手が先へ進んでから離れることになります。握っていることを感じられる範囲で、少しずつ力を抜いて比べます。英語の解説には、強すぎもゆるすぎもしない中間を探す、という説明が多く見られます。どのくらいの強さが合うかは人によって違うため、ここでは数値は示せません。

離す目印を決める

「顔の前を過ぎたら離す」「腕が伸び切る前に離す」のように、離す場所に目印を置く方法です。目印があると、早い・遅いを自分で感じ取りやすくなります。一方、目印を意識しすぎると、腕の振りが目印の手前で止まり、かえって力みにつながることもあります。目印は練習中だけ使い、試合では意識しない人もいます。

押し出す方向を少し上に向ける

The Dart Thrower の技術解説は、離すときのダーツは「ほぼ水平だが、少し上を向いている」と説明しています。また、リリースの位置に悩むなら、肘が上がっていない、フォロースルーをしていないといった動きの問題があることが多い、とも書いています(The Dart Thrower)。手を狙った的へ向かって押し出す意識で、結果としてリリースが早まる人もいます。ただし肘を固定して投げる考え方もあるため、どちらが合うかは比べて確かめます。

狙う位置で合わせる場合

リリースの位置は毎回そろっていて、いつも同じだけ下に刺さるなら、リリースを変えずに狙う位置を少し上にずらす方法もあります。動きを変えないので、試合の前でも使いやすいやり方です。ただ、ばらつき(早かったり遅かったり)は残るので、上下に散らばる人には向きません。狙い方はダーツの狙い方で詳しく扱っています。

リリースを遅くする方法。早すぎて上に外れるとき

反対に、ダーツが上へ抜けやすいときは、リリースが早すぎるかもしれません。早く離そうとした練習の後に起きることもあります。遅くしたいときの選択肢です。

握りを少し確かにする

引いたときにダーツが指の中で動くなら、指の当て方や力を見直します。

  • 向く人:握りがゆるく、ダーツが早く抜ける人
  • 失敗:握りを強くしすぎて、今度は下へ外れる

前へ押す時間を長くとる

腕を最後まで的へ向けて伸ばし、離す位置を少し先に移します。

  • 向く人:引いた直後に離している人
  • 失敗:押しすぎてダーツが上へ速く飛ぶ

手首の使い方をそろえる

最後に手首をはね上げる動きが入っていないか、動画で確かめます。

  • 向く人:上へのずれが不規則な人
  • 失敗:手首を固めすぎて腕全体が力む

上へ外れるときは、リリースが早いか、腕が速すぎるかの見分けも必要です。勢いよく一直線に飛んで上へ刺さるなら速さ、上向きに飛び出すなら早いリリースを疑います。手首の使い方は、抜き方の違いとも関係します。表抜き・裏抜きの違いはダーツの抜き方の比較にあります。

リリースのタイミングをそろえる練習

リリースは、早い・遅いを一方向に直すことより、毎回同じタイミングで離れることのほうが結果に関わる、という見方があります。先の論文では、上手な人ほどタイミングの誤差が小さかったと報告されています。上手な人の中でも、許されるタイミングの幅が広い投げ方をしている人と、タイミングのばらつきそのものが小さい人がいた、という研究もあります(Smeets ほか, 2002)。そろえ方は一つではない、ということです。

  1. 今の投げ方を記録するブルを 30 本投げ、上・下・左右のずれを数える。横からの動画も撮る。
  2. ずれの向きを決める下が多いか、上が多いか、上下に散るのかを見る。散るならタイミングのばらつきを疑う。
  3. 変える項目を一つ選ぶ握る強さ、引く量、離す目印、狙う位置のどれか一つだけ。
  4. 同じ本数で比べる変えた条件で 30 本。ずれの数と投げやすさを書く。
  5. 元に戻して確かめる元の投げ方でもう一度投げ、その日の調子の差ではないかを確かめる。

動画は、スマートフォンのスロー再生が使えます。ただ、離す瞬間は手とダーツが重なって見えにくく、1 コマだけで早い・遅いを決めるのは難しいこともあります。前後のコマと、刺さった位置の記録を合わせて判断します。撮影の仕方はダーツフォームの作り方でも説明しています。

素振りと目を閉じた練習

リリースの感覚をつかむ練習として、ダーツを持たない素振りや、近い距離から軽く投げる練習を取り入れる人もいます。近い距離なら、離す瞬間に意識を向けやすく、結果も目で確かめやすくなります。目を閉じて投げ、離した感触と刺さった位置を照らし合わせる練習もあります。ただし、安全のため周りに人がいないことを確かめてから行ってください。

投げるリズムを決める

構えてから離すまでの時間が毎回違うと、タイミングもそろいにくくなります。「構えて、引いて、出す」をいつも同じリズムで行うと、タイミングがそろいやすいと感じる人がいます。狙う時間が長くなるほど腕が止まりやすい人は、構えてからの時間を決めておく方法もあります。

リリースのタイミングが急に合わなくなったとき

以前は自然に離せていたのに、急に指から抜けなくなった。離そうとすると腕が止まる。このような状態は、ダーツではイップスと呼ばれることがあります。単なるタイミングのずれと、腕が思うように動かない状態は、分けて考えたほうがよい場合があります。

  • 大事な場面や特定の的でだけ離せなくなる
  • 練習では投げられるのに、人に見られると腕が出ない
  • 離そうとしても指が開かない、腕が固まる

こうした状態の原因は一つに決められず、治る、と言い切れる方法もありません。向き合い方の候補はダーツのイップスで腕が出ないときにまとめています。指や手首、肘の痛みやしびれがある場合、また腕の動きにくさが続く場合は、練習で直そうとせず、医療機関に相談してください。

よくある質問

リリースが遅いと感じるのに、ダーツが上に外れるのはなぜ?

腕の振りが速いと、リリースが少し遅れてもダーツは上に刺さることがあります。また、遅れを取り返そうとして最後に手首をはね上げていると、上へ抜けることもあります。早い・遅いの感覚と、実際の動きが違うことは珍しくありません。動画で確かめてください。

リリースポイントは目より前?

どこで離すのがよいかに決まった位置はありません。顔の近くで離す人も、腕を伸ばした先で離す人もいます。目安にするのは、自分の投げ方で毎回同じ位置になっているかどうかです。

バレルやシャフトを変えるとリリースは変わる?

重さや形が変わると、握り方や抜ける感覚が変わり、リリースの感じ方も変わることがあります。道具を変えたときは、すぐに投げ方を直さず、しばらく同じ条件で投げて傾向を見ます。バレルの選び方はダーツバレルの選び方を参考にしてください。

まとめ

まとめ

リリースが遅いと下へ、早いと上へ外れやすくなります。ただ、上下のずれには腕の速さや肘の動きも関わります。まずずれの向きと原因の候補を確かめ、変える項目を一つに絞って比べることから始めましょう。

  • 早くしたいとき:握る力、引く量、離す目印、狙う位置のどれかを一つ変える
  • 遅くしたいとき:握りの確かさ、押す時間、手首の動きを確かめる
  • 一方向に直すより、毎回同じタイミングで離れることを目指す