ダーツを始めたら、Aフライトになることは一つの目標ですね。
今回は、ダーツのAフライトについて細かく解説します。マシンメーカーによって違うレーティングに対する考え方であったり、実際にAフライトになるために役立つ知識であったり。ぜひ参考にしていただければと思います。
そもそも、ダーツのAフライトとは?
ダーツの成績・レベルのことを~フライトと表現し、略して、~フラと呼びます。
プレイヤーの間では、初級者をCフライト、中級者をBフライト、そして上級者をAフライトとしてカテゴライズしています。
それでは、ダーツのAフライトが具体的にどういったものなのかご説明します。
ダーツのAフラの基準は、ライブとフェニで違う
まずは、Aフライトの基準をレーティング表から確認しましょう。レーティングというのは、ダーツマシンが記録したスタッツをもとに、あらかじめ決められた数字のことを指しています。
(Aフラとか関係なく単にダーツがうまくなりたい、という方は読み飛ばしてください)
なお、ダーツライブとフェニックスとでは、レーティング計算の仕方や考え方に違いがあるので、まとめてご紹介します。
DARTS LIVEは80%スタッツ。何点からAフライト?
ダーツライブでは、ゲーム全体の80%のデータをもってレーティングを計算します。01(ゼロワン)なら、例えば701ならその80%、つまり560点減らしたラウンドまでの成績で計算をします。
上がり目を計算にいれないということで、「ダーツの精度」にフォーカスしているといえます。
それでは、ダーツライブのAフライトはどのくらいのレベルなのか、みてみましょう。なお、ダーツライブのゼロワンにおいてはPPR(Points Per Round)という、1ラウンドで3本を投げた合計の数字で計算をします。
ゼロワン | クリケット | レーティング | |
C フライト | 0.0~ | 0.00~ | C1 |
40.0~ | 1.30~ | C2 | |
45.0~ | 1.50~ | C3 | |
CC フライト | 50.0~ | 1.70~ | CC4 |
55.0~ | 1.90~ | CC5 | |
B フライト | 60.0~ | 2.10~ | B6 |
65.0~ | 2.30~ | B7 | |
BB フライト | 70.0~ | 2.50~ | BB8 |
75.0~ | 2.70~ | BB9 | |
A フライト | 80.0~ | 2.90~ | A10 |
85.0~ | 3.10~ | A11 | |
90.0~ | 3.30~ | A12 | |
AA フライト | 95.0~ | 3.50~ | AA13 |
102.0~ | 3.75~ | AA14 | |
109.0~ | 4.00~ | AA15 | |
SA フライト | 116.0~ | 4.25~ | SA16 |
123.0~ | 4.50~ | SA17 | |
130.0~ | 4.75~ | SA18 |
フェニックスは100%スタッツ。何点からAフライト?
フェニックスでは、ゲーム全体の100%のデータをもってレーティングを計算します。つまり、ひとつのゲームを上がる(終了する)までの全てのデータを基にしています。
100%スタッツでは、同じところを狙って単に精度を算出するという意味では多少曖昧になりますが、精神力や細部の精度まで含めたトータルの実力がわかります。最後まで気を抜けないから、ですね。
それでは、フェニックスのAフライトはどのくらいのレベルなのか、みてみましょう。なお、フェニックスのゼロワンにおいてはPPD(Points Per Dart)という、1本あたりの得点で計算をします。
ゼロワン | クリケット | レーティング | |
NONE | 0.00~ | 0.00~ | N1 |
C フライト | 10.65~ | 1.10~ | C2 |
11.90~ | 1.20~ | C3 | |
CC フライト | 13.15~ | 1.31~ | CC4 |
14.40~ | 1.46~ | CC5 | |
CCC フライト | 15.65~ | 1.61~ | CCC6 |
16.90~ | 1.76~ | CCC7 | |
B フライト | 18.15~ | 1.91~ | B8 |
19.45~ | 2.06~ | B9 | |
BB フライト | 20.75~ | 2.21~ | BB10 |
22.05~ | 2.36~ | BB11 | |
BBB フライト | 23.35~ | 2.51~ | BBB12 |
24.65~ | 2.66~ | BBB13 | |
A フライト | 25.95~ | 2.81~ | A14 |
27.30~ | 2.96~ | A15 | |
28.65~ | 3.11~ | A16 | |
AA フライト | 30.00~ | 3.26~ | AA17 |
31.35~ | 3.41~ | AA18 | |
32.70~ | 3.56~ | AA19 | |
34.05~ | 3.71~ | AA20 | |
AAA フライト | 35.40~ | 3.86~ | AAA21 |
36.80~ | 4.07~ | AAA22 | |
38.20~ | 4.28~ | AAA23 | |
39.60~ | 4.49~ | AAA24 | |
MASTER フライト | 41.00~ | 4.70~ | MASTER25 |
42.40~ | 4.96~ | MASTER26 | |
43.80~ | 5.22~ | MASTER27 | |
45.20~ | 5.48~ | MASTER28 | |
46.60~ | 5.74~ | MASTER29 | |
48.00~ | 6.00~ | MASTER30 |
ダーツライブが18段階、フェニックスが30段階と、分け方に違いがあります。さらに、ダーツライブのレーティングは精度計測、フェニックスは実力計測、と考え方にも違いがあることがわかります。
Aフライトを目指すにあたって、どちらがいいというような、優劣はありません。ご自身の感覚に近い方、もしくは両方で目指してみるといいでしょう。
ダーツのAフラ、ブル率ではどのくらい?
3本に1本で、ブル率は33%。
ゼロワンの80%スタッツで考えるなら、ブルが50点、ブル以外は1~20の平均10.5点とすると、PPR71点となります。したがってブル率33%では足りませんね。
では、5本に2本(ブル率40%)ではどうでしょうか。
701で計算してみましょう。Aフライトの基準となるPPR80点で割ると、平均8.76ラウンド。つまり701を0にするまでに、約26.3本のダーツを投げることになります。
ブル率40%では、次のような計算になります。
50点×(26.3本×40%)+10.5点×(26.3本×60%)=691.7点
上がりまでに9.3点届きませんが、だいぶ近くなりました。
シングルやダブル、トリプルの点数やレーティング計算によって違うので、結論としては、Aフライト=ブル率 約40%といったところでしょう。
ブル率40%は少しわかりにくいので、2本に1本はブルに入れることを目標に練習をしてみるといいと思います。
ダーツのAフラ人口はどれくらい?
Aフラの人口を調べる方法はありません。ダーツライブやフェニックスのカードデータを集計できても、複数枚カードを持っていたり、練習データなのか対戦データなのかであったり、集計結果がバラバラになってしまうからです。(そもそもダーツの総プレイヤー人口は、20万人とも50万人とも言われ、曖昧です)
そこで、ダーツを10年以上プレイする方14名に対してアンケートを実施してみました。質問は2つ。
- (定期的にダーツをする人で)Aフラ以上は何人に1人くらいいると思うか?
- 練習をすればAフラになれるものなのか?
回答はこのようになりました。(2つ目の問は完全におまけです)
結果によると、Aフラ以上の人口はプレイヤーの約8%。多くのプレイヤーが目指すところとして、ほどよく難しい数字ですね。
Aフラは狭き門と感じる方もいるかもしれませんが、この結果にはプレイ歴や練習時間が加味されていません。また、練習することでAフラになれる人の方が、なれない人よりも多いと感じているとのこと。これからAフラを目指すなら、練習でいずれAフラになることは可能だと信じておくといいのではないでしょうか。
ダーツでAフラになるまでの期間はどのくらい?
さて、ダーツで目標となるAフライトですが、Aフラになるまでの期間はどのくらいなのでしょうか。
トッププロはAフラまでの期間が、3ヶ月や半年
「知野真澄プロはAAフラまで◯ヶ月でなったらしい」、「浅田斉吾プロは始めてすぐAAAに」など、逸話として語られがちなAフラになるまでにかかった期間。
しかしAフラになるまでの期間は、重要なのでしょうか?
海外に目を向けてみると、世界ランキングで2位まで上り詰めたロブ・クロスは初めて投げた頃からダーツが上手だったといいます。逆に、ピーター・ライトは長らくアマチュアを経験したのち、世界チャンピオンとなりました。
やはり個人差はあります。トッププレイヤーの経歴を調べてみると、ダーツを極めるためには上手くなるまでの期間は関係ないと考えることもできるはずです。
今回のトピックは、Aフラになるまでの期間です。
それでいうと、たしかに少しでも早くAフラになれた方が嬉しいでしょう。ただ、Aフラが目標なのかAフラからその先も目指すのかによって、練習への取り組み方が違うことがあります。
Aフラを目指すなら1年はしっかり基礎を固めたい
Aフラになることを目標にすることはいいと思います。ただ、Aフラをゴールにする投げ方(たとえば、体に負担があったり毎日長時間練習しなければレーティングを維持できないような投げ方)では、その先に進むのは難しいでしょう。
もしAフラより先を目指すなら、1年程度はダーツという競技を頭と体で理解して、基礎を固めることをおすすめします。子ども頃からやるスポーツと違って、感覚で一気に上達できるケースはまれです。どうすれば精度をあげられるのか、考えながらスキルアップする。そのためにダーツ脳を鍛えることを優先するのも、意外とAフラへの近道かもしれません。
脱ずっとCフラへ。ダーツのAフラになるための練習とは?
最後に、Aフラになるための練習について、いくつかの方法をご紹介します。ダーツ歴は長いけど、ずっとCフラで成長が見込めないという方も、Aフラになるためのポイントを一緒に確認しましょう。
関連記事:
「ダーツのコツは〇〇しないこと」ダーツ上達のたった1つのコツとは?
Aフラになるための3つの練習法
ここでご提案するのは、次の3つです。
- とにかくブルを極める
- プロのフォームを完璧に真似る
- 人の話を聞かない
いずれも国内のトップといわれる選手が、どこかで口にしている練習法です。
ブルというのは、非常に効率の良いナンバーです。クリケットなどで下手にあちこちを狙ってフォームを乱すのではなく、とにかく反復練習する(ブルに投げ続ける)ことで、ご自身の投げ方の癖を修正しながら「固まったフォーム」を作ってAフラを目指すといいでしょう。
次に、1人の選手を決めて、フォームを真似る方法です。ただ真似るのではなく、完璧に真似します。ダーツのフォームではバランスが重要なので、どこか一箇所を模倣しても結果に繋がりにくいです。そのため、持ち方・立ち方・構え・リズムなど、細部に渡って研究すると短期間で結果を得られるでしょう。
最後は、人の話を聞かないという、邪道なやり方です。ダーツは人によって語る理論が全然ちがいます。そのため、いろんな人の理論に振り回されてフォームを壊す方も多くいます。このリスクを避けることで、挫折することなく、そして人のせいにすることなく成長できるかもしれません。
ダーツのCCフライト、BBフライトから先に壁がある?
長期間成長できないという方もいるはずです。
時々言われるのが、CCフライトの壁、BBフライトの壁、そしてAフライトの壁です。基本的に壁というのは、マンネリから生まれます。とにかく、まったく違うことをしてみることをおすすめします。しかし、ダーツでは感覚が全然ちがうのに、人からみたらいつもと一緒、ということが往々にしてあります。
人から見ても違う投げ方にしましょう。
これだけで壁は壁ではなくなります。難しい挑戦になりがちですが、成長意欲があれば乗り越えられると思います。ぜび、トライしてみてください!