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ダーツの道具

ダーツバレルのカットの種類。リング・シャーク・マイクロなどのかかりの違いと選び方

バレルのカットは、かかりの強さと場所で選びます。リング・ダブルリング・シャーク・マイクロ・ローレット・縦カット・ノーグルーブの違いを表と図で比べ、手汗や持つ位置、引っかかりやすさから選ぶ手順を解説します。

目次
  1. ダーツバレルのカットの種類一覧
  2. かかりの強さで並べると
  3. リングカットとダブルリングカット
  4. シャークカットの特徴と注意点
  5. マイクロカット・ローレット・縦カット
  6. ノーグルーブという選択肢
  7. カットの位置と組み合わせ
  8. カットの選び方の手順
  9. よくある悩みとカットの関係
  10. カットのすり減りと手入れ
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バレルの表面に刻まれた溝や模様を「カット」と呼びます。同じ重さ・同じ形のバレルでも、カットが違うだけで指のかかり方や離れ方が変わります。ここでは、よく見かけるカットの種類と、自分に合うカットの探し方をまとめました。

結論

カットはかかりの強さとかかる場所の 2 つで見ます。弱い順にノーグルーブ、マイクロ、リング、ダブルリング・ローレット、シャークの順に強くなるのが目安です。

  • 指が滑るならかかりの強い方向へ、リリースで引っかかるなら弱い方向へ 1 段ずつ動かす
  • カットは握る位置に入っているかどうかが、種類と同じくらい大切
  • どれが上ということはなく、手の乾き具合と投げ方で合うものが変わる

ダーツバレルのカットの種類一覧

まず、主なカットを一覧にします。呼び方はメーカーによって少しずつ違い、同じような溝でも別の名前で売られていることがあります。名前より、溝の深さ・角の鋭さ・間隔を見るのが確実です。

カット形かかり向きやすい人
ノーグルーブ溝なし。表面がなめらかとても弱い引っかかりが気になる人、握る位置を自由に変えたい人
マイクロカット細く浅い溝を細かい間隔で並べる弱い〜中しっとりした手触りが好きな人
リングカットバレルを一周する溝。断面は左右対称中最初の 1 本、癖の少ないものを探す人
ダブルリングカットリングの溝を 2 本ずつ組にして並べる中〜強リングでは少し物足りない人
ローレット(ピクセル)縦横の溝を交差させ、小さな粒を並べる中〜強どの方向にも滑りにくくしたい人
縦カットバレルの長さ方向に入れた溝回り止めが中心指の中でバレルが回るのが気になる人
シャークカット片側だけ急な角度のノコギリ状の溝強い手汗が多い人、かかりを強く求める人

かかりの強さは、海外のショップの解説でも「弱い・中・強い・とても強い」の段階で分けられることが多く、とても強い段にはシャークやレーザー(razor)と呼ばれる鋭い溝が入ります。この表の順番も、そうした解説とメーカーの説明をもとにした目安です。同じリングカットでも、溝が深く角が立っていれば、浅いシャークよりかかることがあります。

かかりの強さで並べると

カットを選ぶときは、種類の名前を覚えるより、自分が今どの段にいて、どちらへ動かしたいのかを考える方が迷いません。

  1. ノーグルーブ指の皮膚だけで支える
  2. マイクロカットなめらかさを残して少しだけかかる
  3. リングカット前後どちらの方向にも同じようにかかる
  4. ダブルリング・ローレット溝の数や向きを増やしてかかりを足す
  5. シャークカット一方向に強くかかる

段を動かすときは 1 段ずつにします。滑るからといってノーグルーブから一気にシャークへ替えると、今度はリリースで指に残る感じが出て、何が原因でヒット位置がずれているのか分からなくなります。

リングカットとダブルリングカット

リングダブルリングシャーク ← チップ側シャフト側 →
表面を横から見た断面の模式図。シャークは急な面がシャフト側を向くものが多い

リングカットは、バレルを輪のように一周する溝です。断面が左右対称なので、構えて引くときも、前へ押し出すときも、同じ強さでかかります。かかりが一方向に偏らないため、どこで指が離れても感触が変わりにくく、入門用のバレルに多く使われています。

ダブルリングカットは、リングの溝を 2 本 1 組にして並べたものです。溝の数が増えるぶん、指の腹に当たる角が増え、リングより一段強くかかります。溝の間隔が広い部分と狭い部分ができるので、目で見て握る位置の目印にしやすいという人もいます。

よくある失敗は、「リングカット」という名前だけで同じかかりだと思い込むことです。溝の深さや角の立ち方はモデルごとに違います。ショップで触れるなら、乾いた指でそっと引いてみて、指の腹が溝に沈む感じがあるかどうかを比べてください。

シャークカットの特徴と注意点

シャークカットは、サメのヒレやノコギリの歯のように、片側の面だけを急な角度で削った溝です。急な面が後ろ(シャフト側)を向いていれば、指が後ろへ滑るのを強く止めます。英語ではシャーク(shark)のほか、鋭いものはレーザー(razor)とも呼ばれます。

シャークの良さ

  • 手汗が多くても指が止まりやすい
  • 軽い力で握っても位置がずれにくい
  • 前に押し出すときに指の感触がはっきりする

シャークの難しさ

  • リリースで指に残る感じが出ることがある
  • 長く投げると指先が痛くなる人がいる
  • 角がすり減ると、買ったときと感覚が変わる

海外の解説でも、とても強いかかりのバレルは「リリースで深刻な問題が出ると感じる人が多い」と書かれています。シャークを選んで矢が下に落ちる、左右にばらつくようになったときは、指離れが遅れていないかを疑ってください。見分け方と直し方はリリースで指に引っかかるときの記事で解説しています。

シャークの急な面がどちらを向いているかは、モデルによって違います。チップ側を向いているものは、押し出すときより引くときによくかかります。説明に向きが書かれていなければ、指でなでて、引っかかる方向を確かめてから使ってください。

マイクロカット・ローレット・縦カット

マイクロカット

細く浅い溝を細かい間隔で並べたカットです。1 本ずつの溝は弱くても数が多いので、ざらざらというより、しっとり吸い付くような手触りになるのが特徴です。ノーグルーブではつるつるしすぎる、でもリングの角が指に当たるのは苦手、という人の間の選択肢になります。

溝が浅いぶん、皮脂が詰まると早くかかりが落ちます。「最近滑る」と感じたら、すり減りより先に汚れを疑い、バレルの洗浄を試してください。

ローレット(ピクセルカット)

ローレットは、縦と横、または斜めの溝を交差させて、表面に小さな四角い粒を並べた加工です。英語ではナールド(knurled)と呼ばれ、工具の持ち手のような細かい凹凸になります。日本のメーカーでは、粒の並び方からピクセルカットなどの名前が付けられていることもあります。

リングが前後方向にしかかからないのに対し、粒の加工は前後にも回る方向にもかかります。乾いた手の人がかかりを足すのに使うことが多い一方、粒が鋭いと指先の皮膚が削れる感じがする人もいます。

縦カット

バレルの長さ方向に入れた溝です。前後の滑りを止める力は小さく、主に指の中でバレルが回るのを抑えます。単独で使われることは少なく、リングやローレットと組み合わせて入っているのが普通です。ダーツの回転を抑えたい、構えるたびにバレルの向きを揃えたいという人が気にする部分です。

ノーグルーブという選択肢

カットがまったくないバレルも、少数ですが売られています。海外のプロにもなめらかなバレルを使う選手がいて、理由はリリースで引っかかるのを避けるためだとされています。

その代わり、指で止める力がないので、投げる動きのリズムが崩れると、そのまま飛びに出ます。カットに頼れないぶん、毎回同じ動きができているかどうかが分かりやすく、練習用にあえて使う人もいます。どこを握っても感触が同じなので、グリップの位置を探している段階では、握る場所を自由に動かせる利点もあります。

カットの位置と組み合わせ

今のバレルは、1 本に 1 種類のカットだけが入っているとは限りません。後ろにシャーク、前にリング、のように、場所ごとにかかりを変えたものが増えています。

前:人差し指後ろ:親指中央:なめらか チップ側シャフト側
前と後ろにだけカットがあるバレルの例。かかる場所が握る位置と合っているかを見る
カットの位置主にかかる指合いやすい持ち方
前側人差し指・中指前を持つグリップ、指で先を導く人
中央親指と人差し指重心付近を持つ人
後ろ側親指後ろを持つグリップ、親指で押し出す人
全体どの指も持つ位置が日によって変わる人、まだ決まっていない人

英国のショップの解説でも、後ろ持ちの人には後ろに、前持ちの人には前にかかりのあるモデルを合わせる、という選び方が紹介されています。よくある失敗は、カットの種類だけ見て、自分の指が当たる場所がなめらかな部分だったというものです。持つ位置の決め方はグリップが決まらないときの記事を参考にしてください。

カットの選び方の手順

手の乾き具合と、今の不満から逆算すると、試す順番が決まります。手が乾きやすい人はかかりのある方を、湿りやすい人は中くらいのかかりかなめらかな方を好む、という解説もあれば、手汗が多い人ほど強いかかりが要る、という解説もあり、ここは説が分かれます。人によって感じ方が違うので、手の状態だけで決めず、実際に投げて確かめてください。

  1. 今のバレルのカットと位置を確認する種類と、自分の指が当たっている場所にカットがあるかを見ます。
  2. 不満を 1 つに絞る「滑る」のか「引っかかる」のか「回る」のかを分けます。
  3. 汚れとすり減りを先に除く洗っても滑るか、溝の角が丸くなっていないかを確かめます。
  4. 1 段だけ動かす滑るならかかりの強い方へ、引っかかるなら弱い方へ。重さや形はできるだけ同じにします。
  5. 数日投げてから判断する替えた直後は感覚が変わるので、1 日で結論を出さず、グルーピングで比べます。

投げ場のレンタルや、友人のバレルを借りて試すのも手です。同じシリーズでカット違いのモデルがあれば、カットだけの違いを比べやすくなります。バレル全体の選び方はダーツバレルの選び方にまとめています。

よくある悩みとカットの関係

悩みカットで考えられることまず試すこと
投げるときに指が滑るかかりが弱い、溝に汚れが詰まっている、すり減り洗浄→1 段強いカット
リリースで指に残るかかりが強すぎる、急な面の向きが合わない1 段弱いカット、握る力を確かめる
指先が痛い・皮がむけるシャークや鋭いローレット角の丸いカット、投げる量を減らす
持つたびにバレルが回る前後方向だけのカット縦カットやローレット入りを試す

滑る原因は、カットのほかに手汗や握り方のこともあります。原因の見分け方はバレルが滑るときの記事で詳しく解説しています。

カットで指先が痛い、皮がむける状態が続くときは、投げる量を減らして様子を見てください。痛みやしびれが続く、腫れがある場合は、カットの問題と決めつけず医療機関に相談してください。

カットのすり減りと手入れ

カットは使ううちに角が丸くなります。タングステンは硬くすり減りにくい素材ですが、ブラス(真鍮)のバレルは柔らかく、早く減ります。シャークのように角の鋭さでかかるカットほど、すり減ったときの感覚の変化が大きくなります。

「前より滑る」と感じても、すぐに買い替える必要はありません。多くの場合、溝に詰まった皮脂が原因なので、まず洗ってみてください。洗っても感触が戻らず、溝の角が指でなでて丸く感じるなら、すり減りを疑います。交換の目安はバレルの寿命の記事で解説しています。

注意

やすりや工具で自分でカットを削り足したり、角を落としたりすると、元には戻せません。バレルの重さやコーティングにも影響するので、加工はしないでください。

まとめ

カットは種類の名前より、かかりの強さとかかる場所で選びます。

  • 弱い順にノーグルーブ、マイクロ、リング、ダブルリング・ローレット、シャークが目安
  • 滑るなら強い方へ、引っかかるなら弱い方へ、1 段ずつ替えて比べる
  • 握る位置にカットがあるか、汚れやすり減りがないかを先に確かめる