ダーツのシャフトが緩む原因と対策。O リングの付け方と締めすぎの注意点
ダーツのシャフトがすぐ緩むときは、O リング(ゴムのワッシャー)を挟んで手で締めるのが基本の対策です。緩む原因の見分け方、O リングの付け方、締めすぎで折れる危険、回転シャフトとの違い、ネジ山の傷みまで表と手順で整理します。
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結論
シャフトがすぐ緩むときは、シャフトのネジの根元に O リング(ゴムのワッシャー)を挟み、手で締めるのが最初に試す対策です。ゴムが隙間を埋めて、投げたときの振動でネジが戻るのを抑えます。
- 工具で力いっぱい締めるのは逆効果。ネジの根元で折れやすくなる
- O リングを付けても緩むなら、シャフトかバレルのネジ山の傷みを疑う
- 回転シャフトの「上だけ回る」動きは緩みではない。根元が動くかで見分ける
ダーツのシャフトが緩むのはなぜ?
シャフトは、バレルの後ろのネジ穴にねじ込んで留めています。ダーツはボードに刺さるたびに衝撃を受け、前後に細かく振動します。ネジとネジ穴の間にわずかでも隙間があると、この振動のたびに少しずつ回り、締めた向きと反対へ戻っていきます。これが「投げているうちに緩む」仕組みです。
英国のダーツ用品店 A-Z Darts のO リングの解説は、O リングがない状態では投げるたびにシャフトを締め直すことになりがちだと書き、O リングは動きと振動の一部を抑え、締めすぎの問題もなくすと説明しています。特に、金属のバレルに金属(アルミなど)のシャフトを合わせる組み合わせでは、昔から O リングが使われてきたとしています。硬い樹脂のシャフトにも O リングを勧めるメーカーが増えているそうです。
つまり、緩みの根本は「隙間」と「振動」です。強く締めて隙間をなくそうとするより、柔らかいものを挟んで隙間を埋めるほうが、部品を傷めずに済みます。
シャフトが緩む原因の候補と見分け方
「緩む」と一言で言っても、どこが動いているかで原因が変わります。まず、3 本のうちどれが、どの部分で動くのかを確かめます。
| 見え方 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 3 本とも、数ラウンドで根元から回る | O リングが付いていない、または切れている | O リングを付けて手で締める |
| O リングを付けても 1 本だけすぐ緩む | そのシャフトのネジ山の傷み | シャフトを新しいものに替えて比べる |
| 新しいシャフトでも同じバレルだけ緩む | バレルのネジ穴の傷み、汚れの詰まり | ネジ穴を掃除し、それでも続くならバレル側を疑う |
| 斜めに入る、途中で固くなる | ネジ山のつぶれ、斜めに締めた跡 | 無理に締めない。シャフトを替える |
| 上の部分だけくるくる回る | 回転式(スピン)シャフトの仕組み | 緩みではない。根元が動くかを確かめる |
| フライトだけ抜けかける | シャフトの溝の広がり、フライトを押さえるリングの不足 | シャフトの交換、リング付きのものを試す |
見分けるときは、1 本ずつ根元をつまんで軽くひねってみます。根元が回るならシャフトの緩み、根元は動かずに上だけ回るなら回転シャフトの動きです。どの 1 本がおかしいか分からないときは、バレルとシャフトの組み合わせを入れ替え、緩みがシャフトについて回るか、バレルについて回るかを見ると、原因の側を絞り込めます。
O リングの付け方の手順
O リングは、2BA と呼ばれるネジの規格に合わせた小さなゴムの輪です。多くのダーツはこの規格のネジを使っていますが、使っているシャフトがどの規格かはパッケージやメーカーの案内で確かめてください。最近は、O リングを最初から付けて売っているシャフトもあります。
- シャフトをバレルから外す古い O リングがあれば外し、ネジとネジ穴の汚れを拭き取る。
- O リングをネジの先に斜めに掛ける片側を指で押さえ、反対側を伸ばしてネジにかぶせる。
- 根元まで転がして下ろすネジの山を越えさせ、シャフトの胴との境目まで送る。ねじれていないかを見る。
- まっすぐねじ込む最初の数回は軽く回し、斜めに入っていないことを確かめる。
- 手で止まるところまで締めるO リングが軽くつぶれたところで止める。工具で増し締めはしない。
A-Z Darts の解説では、指で伸ばしてかぶせる方法のほか、チップの先でゴムを伸ばす方法、フライト側から通してシャフトの胴を転がり下ろす方法、専用の取り付け具(アプリケーター)を使う方法を紹介しています。フライト側から通す方法はやりやすい反面、ゴムが伸びたり、溝に引っ掛けて切れたりすることがあるとしています。指先で付けにくい人は、取り付け具を使うと楽です。
よくある失敗は、O リングがねじれたまま、またはネジの途中に残ったまま締めてしまうことです。こうなるとシャフトが斜めに入り、ネジ山を傷めます。締める前に、輪が根元に平らに収まっているかを目で確かめましょう。
O リング以外の緩み対策を比べる
O リングのほかにも、緩みを抑える方法はいくつかあります。どれも一長一短なので、困りごとと手間の好みで選びます。
O リング
ゴムの輪を挟む昔からの方法。
- 向く人:手持ちのシャフトをそのまま使いたい人
- よい点:安く、外して付け直せる
- よくある失敗:切れたまま使い続ける
ロックの仕組みがあるシャフト
リングや穴でしっかり留める作りのもの。
- 向く人:締め直しの手間を減らしたい人
- よい点:製品によっては工具の穴で締めやすい
- よくある失敗:強く締めすぎて、根元に負担をかける
こまめに締め直す
部品を足さず、投げる前に確かめる。
- 向く人:道具をあまり変えたくない人
- よい点:費用がかからない
- よくある失敗:試合中に緩みに気づかない
A-Z Darts の解説は、O リングの代わりに使う使い捨ての留め具にも触れたうえで、O リングは何度でも外して付け直せる点を違いに挙げています。どの方法を選んでも、「強く締めて止める」のではなく、「動かないように隙間を埋める」と考えると失敗が減ります。シャフトの素材ごとの違いはシャフトの素材の違いで詳しく比べています。
締めすぎるとどうなる?折れる危険
緩むのが嫌で、ペンチやシャフトの工具を使って思い切り締める人がいます。しかし、これはおすすめできません。A-Z Darts の解説は、シャフトを強く締め付けるほど、ダーツが床に落ちたときなどにバレルとの境目で折れる危険が大きくなると説明しています。
注意
強く締めたシャフトがネジの部分で折れると、折れた先がバレルの中に残り、指では取り出せなくなります。米国のダーツ情報サイト DartHelp の解説も、固く締めた状態でネジの部分が折れると、取り出すのはほぼ不可能だとしています。工具での増し締めは避けましょう。
折れたネジがバレルに残ってしまったときは、折れたシャフトやチップを抜くための専用の工具があります。ダーツ用品店 Shot Darts の解説では、バレルを固定し、工具の先を折れたネジに食い込ませて回し出す方法を紹介しています。無理にこじるとネジ穴を傷めるので、自信がなければダーツショップに相談するのも 1 つの方法です。バレルのネジ穴の傷みについてはバレルの寿命と交換のサインでも整理しています。
回転シャフトが「緩む」ように感じるとき
回転式(スピン)シャフトは、根元はバレルに固定したまま、フライトを付けた上の部分が軸まわりに回る作りです。この「上だけ回る」動きを、初めて使う人が緩みと勘違いすることがあります。
| 確かめること | 緩み | 回転シャフトの動き |
|---|---|---|
| 根元をつまんで回すと | 根元ごと回る | 根元は動かない |
| 引っ張ると | ガタつきや抜けがある | しっかり付いている |
| 投げた後の見た目 | シャフトがバレルから少し浮く | フライトの向きだけ変わっている |
ただし、回転シャフトでも、根元のネジの部分は普通のシャフトと同じように緩むことがあります。また、上の部分を留めているリングが外れたり、回る部分のガタが大きくなったりすると、フライトが抜けやすくなります。上の部分のガタが気になる場合は、固定式と比べてみるのも選択肢です。回転式と固定式の違いはシャフトの素材の違いの中でまとめています。
緩んだまま投げると何が起きる?
シャフトが少し緩んだだけでも、投げたときの感覚は変わります。根元にガタがあると、手を離れた瞬間のダーツの向きがそろいにくくなり、後ろを振りながら飛ぶことがあります。ボードに刺さったときの衝撃でシャフトがさらに回り、フライトの向きがずれることもあります。
よくある場面を並べると、次のようになります。
| 場面 | 起きていること | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 1 本だけ飛びが暴れる | その 1 本のシャフトにガタがある | 根元をつまんで動くかを見る |
| フライトが刺さった後にずれる | シャフトが回ってフライトの向きが変わった | 投げる前と後で、フライトの向きを比べる |
| シャフトがボードの前で抜け落ちる | 緩んだまま投げ続けて、最後に外れた | ラウンドの合間に 3 本とも根元を確かめる |
飛びの乱れそのものの見分け方は飛びが暴れる原因で詳しく扱っています。道具の傷みで飛びが乱れているのか、投げ方で乱れているのかを分けるには、まずシャフトの緩みを先に取り除くのが近道です。
シャフトの交換時期と、ふだんの確かめ方
シャフトはフライトやチップと同じく、消耗品として扱われています。ほかのダーツが当たって曲がったり、割れたり、ネジ山がすり減ったりすれば、O リングを付けても緩みは止まりません。Shot Darts の解説も、シャフトとフライトは安く交換しやすい部品なので、予備を持っておくとすぐに投げ直せるとしています。
- 投げ始める前に根元を締める手で止まるところまで。3 本とも同じように。
- ラウンドの合間に軽く確かめる緩んでいる 1 本があれば、その 1 本を覚えておく。
- O リングの状態を見る切れ、ひび、つぶれたままの変形があれば交換する。
- シャフトを転がす平らな机の上で転がし、曲がりがないかを見る。
- 同じ 1 本が何度も緩むならシャフトを替えるそれでも続くなら、バレルのネジ穴を疑う。
シャフトを替えるときは、長さや素材が変わると重さや重心も変わります。今と同じ長さ・同じ素材を選ぶと、投げ心地を変えずに済みます。長さを見直したい場合はシャフトの長さの違い、フライトの差し込みが浅い場合はフライトの種類と付け方、チップ側の緩みや曲がりはチップの交換時期も参考にしてください。バレルを含めたセッティング全体はバレルの選び方にまとめています。
なお、緩んだシャフトを直そうと指先で何度も強くねじるうちに、指や手首に負担がかかることもあります。痛みやしびれが続くときは、投げるのを休んで医療機関に相談してください。
まとめ
まとめ
ダーツのシャフトが緩むのは、ネジの隙間と、刺さるたびの振動が原因です。O リングを挟んで手で締めるのが最初の対策で、それでも緩む 1 本は、ネジ山の傷みを疑って部品を替えます。
- 工具で強く締めると、根元で折れてバレルに残る危険がある
- バレルとシャフトを入れ替え、緩みがどちらについて回るかで原因を絞る
- 回転シャフトの上だけ回る動きは緩みではない。根元が動くかを見る