ダーツのシャフトはカーボンで何が違う?素材・回転式・太さの比べ方
ダーツのシャフトは素材によって、折れやすさ・曲がりやすさ・重さ・値段が違います。樹脂・アルミ・カーボン・チタンの向き不向き、アルミが曲がるときの見分け方、回転式(スピン)と固定式の違い、太さの違いを整理し、今のセットから比べる手順を解説します。
目次
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シャフトの素材で変わるのは、主に壊れ方と重さ、そして値段です。素材そのものが得点を上げるわけではありません。ここでは素材ごとの特徴に加えて、回転式と固定式、太さの違いまで、比べるときの見方をまとめます。
結論
カーボンと樹脂・アルミの違いは、折れやすさ・曲がりやすさ・重さ・値段の組み合わせです。どれが上というより、今のシャフトで何に困っているかで候補が変わります。
- 樹脂は安く軽いが折れやすい、アルミは折れにくいが曲がることがある
- カーボンとチタンは丈夫さと軽さを両立しやすいが、値段が高い
- 回転式は2本目・3本目の弾かれ方に関わる仕組みで、投げ方や軌道を変えるものではない
ダーツのシャフトの素材の違いを一覧で比べる
シャフトは、握る金属部分のバレルと、後ろの羽根であるフライトをつなぐ部品です。長さだけでなく、素材にもいくつかの種類があります。英語圏の販売店の解説(A-Z Darts、Double Top Dart Shop)を突き合わせると、おおむね次のように整理できます。
| 素材 | 強いところ | 弱いところ | 値段の目安 |
|---|---|---|---|
| 樹脂(ナイロンなど) | 軽い、色や長さが多い、しなって衝撃を逃がす | 根元から折れやすい | 安い |
| アルミ | 折れにくい、細く作れる | 強くぶつかると曲がり、元に戻しにくい。樹脂より重い | 中くらい |
| カーボン | 軽くて丈夫 | 値段が高い | 高い |
| チタン | 非常に丈夫で、金属の中では軽い | 値段がもっとも高い部類 | 高い |
表の「強いところ」「弱いところ」は素材の一般的な傾向で、同じ素材でも製品の形や作りで差があります。たとえば樹脂のシャフトでも、日本のメーカーの L-style のエルシャフトのように、樹脂製の中で強度を高めた製品があります。素材の名前だけで決めず、商品ページの説明も読み比べてください。
なお、カーボンシャフトの中には、軸はカーボンで、ねじの部分やフライトを差す先端に金属や樹脂を組み合わせたものもあります。「カーボン」と書かれていても、全部が同じ素材とは限りません。
素材で変わるのは、壊れ方と重さ
壊れ方:折れるか、曲がるか
ダーツが的やほかのダーツに当たったり、床に落ちたりすると、シャフトに力がかかります。そのときの壊れ方が素材で分かれます。
- 樹脂は、しなって力を逃がす一方、限界を超えると根元から折れます。折れたらその場で交換するしかありません
- アルミは、折れにくい代わりに曲がります。A-Z Darts の解説は、金属なので曲がりやすく、元の形に戻すのは難しいとしています
- カーボンとチタンは、折れにくさと曲がりにくさを両立しやすい素材です
どちらの壊れ方が困るかは、人によって違います。樹脂は折れてもすぐ替えられるので、予備をケースに入れておけば試合中でも困りません。アルミは見た目では分からない程度に曲がったまま使い続けてしまうことがあり、そのほうが困るという考え方もあります。
重さ:ダーツ全体の重心が動く
ダーツの重心は、チップ・バレル・シャフト・フライトを組んだ状態で決まります。後ろにあるシャフトが重くなれば重心は後ろへ、軽くなれば相対的に前へ寄ります。樹脂からアルミに替えると後ろが重くなり、アルミからカーボンに替えると軽くなる、という方向です。
ただ、シャフトはバレルに比べて軽い部品です。素材を替えたことによる重さの差は、製品によってはごく小さいこともあります。替えたあとに「重心が変わった気がする」と感じたら、商品ページの重さを見比べて、本当に差があるかを確かめると判断がぶれにくくなります。重心と握る位置の関係は、バレルの選び方でも説明しています。
カーボンシャフトのメリットとデメリット
カーボンを試す理由
壊れにくさと軽さを両方ほしいとき。
- 樹脂がすぐ折れて、交換の手間が気になる
- アルミが曲がるたびに替えている
- 後ろを軽くしたまま丈夫にしたい
合わないことがある場面
値段に見合う困りごとがないとき。
- 今のシャフトで折れも曲がりも気にならない
- 長さやフライトの組み合わせをまだ探している
- 予備を多めに持ちたい
カーボンの分かりやすい利点は、折れにくさと軽さです。樹脂を週に何本も折っている人や、アルミの曲がりに悩んでいる人にとっては、交換の回数が減ることが一番の違いになります。
一方で、カーボンにしたから飛びがよくなる、入るようになる、と言える根拠は見当たりません。素材が変わっても、フライトの位置を決めるのは長さで、飛びに強く関わるのはフライトの形です。長さを探している途中で高いシャフトをそろえると、合わなかったときの負担が大きくなります。長さの選び方はシャフトの長さで何が変わるかで整理しています。
よくある失敗は、素材と長さを同時に替えてしまうことです。「カーボンにしたら投げやすくなった」と思っても、実は長さが一つ違っていた、ということがあります。素材を比べるときは長さをそろえましょう。
アルミのシャフトが曲がるときは
アルミは、丈夫で細く作れる素材として長く使われてきました。ただし、ほかのダーツが後ろに当たったときや、落としたときに曲がることがあります。
曲がりの見分け方
| 確かめ方 | 曲がっているときの様子 |
|---|---|
| 机の上で転がす | シャフトだけを平らな面で転がすと、まっすぐ転がらずにがたつく |
| 組んだダーツを回す | 指先でダーツを軸に回すと、フライトが振れて見える |
| 同じ品と並べる | 新しい同じシャフトと並べると、先端の位置がずれている |
曲がったシャフトを手で戻すと、見た目はまっすぐになっても、同じところがまた曲がりやすくなることがあります。前述の A-Z Darts の解説も、元の形に戻すのは難しいとしています。消耗品と考えて替えるのが、もっとも確実な対処です。
ダーツが斜めに飛ぶ、フライトが暴れるといった症状は、シャフトの曲がりのほかに、投げ方やフライトの傷みでも起こります。曲がりが見つからないときは飛びが暴れる原因の見分け方も参考にしてください。
チタンのシャフトは何が違う?
チタンは、金属の中では軽く、非常に丈夫な素材です。Double Top Dart Shop の解説は、チタンを強く軽く耐久性が高い上位の選択肢として紹介しています。一方で A-Z Darts の解説は、値段の高さに見合う違いは大きくないという見方をしています。販売店の間でも評価が分かれる素材です。
チタンとカーボンはどちらも高価な部類で、丈夫さを求めて選ぶ点は共通しています。金属らしい手触りや見た目が好き、という理由で選ぶ人もいます。一方、長さの選択肢や対応するフライトが製品によって限られることがあるので、買う前に今のフライトが使えるかを確かめてください。
回転式(スピンシャフト)と固定式の違い
シャフトには、フライトを差す先端の部分がくるくる回る回転式(スピンシャフト、スピナーとも呼ばれます)と、回らない固定式があります。素材とは別の分け方で、カーボンにもアルミにも回転式があります。
回転式
先端が回り、ぶつかったダーツをよけやすくする仕組み。
- ダーツが近くに集まり、後ろに当たることが多い人
- 2本目・3本目が弾かれるのが気になる人
- 部品が増える分、値段や手入れの手間が増えることがある
固定式
先端が回らない、構造が単純なつくり。
- フライトの向きをそろえて構えたい人
- 部品が少なく、選べる製品が多い
- 集まったときに、後から来たダーツが当たって弾かれることがある
回転式の仕組みは、後から来たダーツが先に刺さったダーツのフライトに当たったとき、先端が回って逃がすことで、弾かれにくくするものです。A-Z Darts の解説は、回転は投げ方や軌道を助けるものではなく、2本目・3本目が弾かれることに対するものだと説明しています。つまり、狙いどおりに集まり始めた人ほど違いを感じやすい仕組みです。
よくある誤解は「回転式にすると飛びが安定する」というものです。飛んでいる間のダーツの回転は、主に手からの離し方とフライトで決まり、シャフトの先端が回ることとは別の話です。ダーツの回転についてはダーツの回転の記事で扱っています。
シャフトの太さの違い:標準とスリム
同じ素材でも、軸の太さが違う製品があります。日本では標準の太さを「ストレート」、細いものを「スリム」と呼ぶ製品が多く、前述のエルシャフトにもストレートとスリムがあります。
| 見る項目 | 標準(ストレート) | 細め(スリム) |
|---|---|---|
| 丈夫さ | 太い分、強度を出しやすい | 細い分、折れやすい製品がある |
| 空気の受け方 | 表面が広い | 空気を受ける面が小さい |
| 握るとき | シャフトに指をかけると太く感じる | シャフトまで指をかける人は持ちやすく感じることがある |
A-Z Darts の解説は、細いシャフトはシャフトの部分まで握る人に向くとしつつ、細い分だけ折れやすいと書いています。Double Top Dart Shop は、細いシャフトは空気抵抗を減らし、標準の太さは安定を重んじるという整理です。どちらも好みで選ぶもので、細いほうが入るということではありません。
太さを替えるときは、フライトとの相性にも注意します。太さによって合うフライトやリングが指定されていることがあるので、今使っているフライトを残したいなら、同じシリーズの中で太さを替えると確実です。フライトの種類はフライトの種類と付け方で説明しています。
今のセットから素材を比べる手順
以下は編集部が提案する比べ方です。特定の素材を勧めるためではなく、替えた理由と結果を結び付けるための手順です。
- 困りごとを一つに絞る「週に何本も折れる」「曲がりが多い」「2本目が弾かれる」のように、替えたい理由を具体的に書きます。
- 長さとフライトをそろえる今と同じ長さ・同じフライトが使える製品を選び、変える条件を素材だけにします。
- 重さを確かめる商品ページの重さを見て、今のシャフトとの差を控えます。差が大きければ、重心が動いたことも投げ心地の違いに含めて考えます。
- 同じ練習で比べ、元にも戻す同じ狙いで投げ、元のシャフトに戻したときの感覚も確かめます。
- 困りごとが減ったかで決める得点だけでなく、折れた本数や弾かれた回数など、最初に書いた困りごとが減ったかを見ます。
たとえば「樹脂が月に何本も折れる」なら、比べるのは折れる本数です。「アルミが曲がる」なら曲がる頻度です。素材の違いは、こうした困りごとの減り方に表れやすく、1日の得点の上下には表れにくいものです。違いが分からなければ、安い素材のまま続けてもかまいません。
シャフトはチップやフライトと同じく消耗品です。どの素材を選んでも、予備をケースに入れておくと、折れたり曲がったりしたときに慌てずに済みます。チップの替え時はチップの交換時期でまとめています。
まとめ:素材は困りごとから選ぶ
まとめ
- 樹脂は安く軽いが折れやすい、アルミは折れにくいが曲がることがある
- カーボン・チタンは丈夫で軽いが高い。飛びや得点がよくなる根拠は見当たらない
- 回転式は2本目・3本目の弾かれ方に関わる仕組みで、投げ方とは別の話
- 素材を比べるときは長さとフライトをそろえ、困りごとが減ったかで判断する
まずは今のシャフトで何に困っているかを一つ選び、それが減る素材を候補にしてください。困りごとがなければ、素材を替える必要もありません。